2020年5月18日

建築倉庫ミュージアムより掲載

 

先日、たまたまYouTubeで、有名な構造設計者の金箱温春さんのお話を聞きました。

そこで面白いことをおっしゃっていました。

 

時代の先端を走っている建築家は、様々なデザインをします。

そこで構造設計者はそのデザインを力学的に成り立つように、構造システムを考えるわけです。

この構造システムを考えるということは、つまり、構造解析の問題を考えるといことだそうです。

 

そこで、

 

問題を解くと、必ず答えは出てしまう。しかしどういう問題を作るかということが重要で、これが構造デザインである。

この問題を上手に作らないと、スマートな答えは出てこない。」

 

と、いうことでした。

 

なるほどなと納得しましたが、考えて見れば、構造に限らず、様々な職種においても仕事を進める上で、この「問題」あるいは「課題」は必ず出てきます。

 

安宅和人さんが「イシューからはじめよ」という本の中で、同じようなことを書かれています。

 

生産性の高い仕事をするには、

 

「何に答えを出す必要があるのか」という議論からはじめて、「そのためには何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析をする。

その上で、イシュー(問題、課題)を見極めることが大切であると。

 

質の高い課題設定が、質の高いアウトプットをより効率的に出す、ということにつながるわけです。

 

恐らく、僕たちの建築の意匠設計においても、設計上の「課題」の設定が上手であれば、素晴らしいプランができるのでしょうね。

 

闇雲に取り組むのではなく、じっくり問題の本質を見極めことが大切なんですね。

 

肝に命じておこうっと。

 

参考までに金箱さんが構造設計された建築を添付しておきますね。

 

安藤忠雄さんの「十和田市教育プラザ」と隈研吾さんの「明治神宮ミュージアム」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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