03:設計事務所の問題点と利点

2019年8月22日

設計事務所の問題点が一つあります。

 

それは設計した建物の工事費を明確に断言できないことです。

もちろん予算に合わせて設計をしますが、こちらが言えるのはあくまでも工事費の概算です。

 

ハウスメーカー、ゼネコンに所属する建築士さんは、施工部隊が控えていますから、コストについてはかなり明確にできるかと思います。

 

このようにお話すると私たち設計事務所は、コストについてはちょっと不利な立場ですよね。

ただ、設計事務所ならではの利点もあります。

 

それは相見積が取れるということです。

コラムの01でも書きましたが、設計事務所はきちっと図面をかきますから、その図面をもとに数社の建設会社に見積もりを依頼することができます。

その中で、安くて信頼できそうな建設会社を選んで施工してもらうのです。

これを相見積といいます。

 

同じ図面をもとに見積もってもらうわけですが、不思議なことに工事金額に随分と開きが出てしまうことがあります。

例えば、設計での予算が5000万円だとして、A社は4900万円、B社は5300万円、C社は6000万円といったことが起きるわけです。

 

もちろん、各社コスト競争ということはわかっていますから、一生懸命に見積もっていただき、精一杯の金額を出してくれているのですから、高い金額の会社が不当に儲けているというわけではありません。

このあたりが長年設計をやってきて難しいなと思うところです。

 

ただ、各社コスト競争ですから、ひょっとしたらかなり値打ちに建築ができてしまう可能性も秘めています。

しかし、逆に各社予算オーバーで、びっくりしてしまう場合もありますが。

 

このような場合は、予算に合わせるべく必死に設計変更をして対応します。

 

設計事務所はこの見積徴収の時が一番緊張します。

 

 

 

 

 

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