09:デザインの良し悪しって何だろう?

2019年10月25日

今回はデザインのお話です。

 

コラム08でも書きましたが、建築ができるということは、少なからず周辺の景観にも影響を及ぼします。

街並みを造る一員になるわけですね。

 

ですから、建築を造る場合には、ひとの目に触れるということも配慮したいものです。

ここで、デザインについて考えてみます。

でもデザインとは何だろうか。

 

建築で言えば、プランニングも設備計画も、照明の計画も、当然外観もデザインと言えます。

そこで、「グッドデザイン賞」の主催母体である公益財団法人日本デザイン振興会のHPで調べてみました。

 

そこにはこのように書いてありました。

 

デザインとは常にヒトを中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化するこの一連のプロセスが我々の考えるデザインである。

 

この解釈で言うと、建築はそもそもヒトが使うもので、目的があって造るわけですから、設計行為全体がデザインと言えます。

でもこのコラムではもう少し絞って、外観デザインについて考えてみたいと思います。

 

僕たちが建築の外観を考えるときを振り返ると、まずクライアントに気に入ってもらえることを大前提に、自分が好きになれるデザインを考えます。

この時同時に、周りのヒトからも見られるということも、かなりのウェートで考えています。

そう考えると、やはりそこには「ヒト」が中心にあるわけですね。

 

良い外観デザインとはクライアントが気に入り、それを見た周りの人たちも「いい建物だな」と感じてもらい、少しでもゆたかな気持ちになってもらえる、そういったものではないかと思います。

 

大袈裟にいえば、街並みを造る一員となるわけですから、良いデザインをすることが社会的責任ともいえるのではないでしょうか。

 

街を歩いていて、とても残念に思うのは、四角い建物に無造作に窓が配置してある建物だったり、あるいはただ、外壁に材料を張っただけといった建物を見た時です。

 

せっかくお金をかけて造っているわけですから、もう少し工夫したり、整理すればいいのにと思います。

 

そこには設計者の熱意が感じられません。

 

デザインには正解といったものがなく、人によって見方が変わり、とても難しい面はありますが、設計者が熱意を持って設計した建物は、やはりなんらかの雰囲気を醸し出しています。

 

予算をあまりかけていなくても、気の利いた建築がいっぱいあります。

 

僕たち設計者は、ヒトのために、与えられた条件のなかで、精いっぱい頑張って、いい建築を造っていかなくてはなりませんね。

 

頑張ろうっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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