07:建物の構造のいろいろ

2019年10月10日

建物は雨風をしのぐための壁と屋根によって、人が住まうための空間を造り出します。

この空間を形成するためにいくつかの構造システムがあります。

 

使用する材料によって木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、コンクリートブロック造(組積造)などがありますが、一般的に住宅では木造と鉄骨造とRC造の3種類くらいを考えれば良いのではないかと思います。

 

さて、この3つにはどんな特徴があるのでしょうか。

 

1)木造

日本に古くから伝わる最も一般的な構造で、柱と梁で骨組みを造ります。

地震による揺れに抵抗するために、耐力壁と言われる筋交いの入った壁をバランスよく配置し、床面にも剛性を高めるために構造用合板を張ります。

 

基礎は土台の下に布基礎と呼ばれるコンクリート基礎を巡らす工法と、ベタ基礎といって建物全体にコンクリートの底盤を設け、そこから土台を受ける立ち上がりを設ける工法があります。

どちらの工法も一長一短があり、地盤の強度、プランの形状等によって、どの基礎形式を採用するか設計者が判断します。

 

かつては大工さんが木材を刻んで、複雑なホゾなどを造って組み立てていましたが、熟練した職人さんも減ってしまった昨今では、工場であらかじめ木材を加工するプレカット材の使用が多くなっています。

工場で機械が加工しますので、ある意味では品質が安定していると言えるかと思います。

 

また、地震に抵抗する強さを示す耐震等級は1から3まであり、耐震等級1を基準とすると耐震等級2は1の1.25倍、耐震等級3は1の1.5倍の耐震強度があります。

耐震強度3の建物は震度7以上といわれる阪神・淡路大震災級の地震でも大きな損傷がないレベルとなりますので、予算が許せば耐震等級3を目指して設計したいですね。

 

近年、国産の木材の使用活性化が図られ、公共建築はじめさまざまな建築で木造化が進められています。

隈研吾さん設計の新国立競技場も木材をふんだんに使っているということで話題になりましたよね。

今、木造がブームのような気がします。

 

2)鉄骨造

鉄骨造には軽量鉄骨を使う工法と重量鉄骨を使う工法の2種類あります。

軽量鉄骨を使う工法はどちらかというと木造に近い考え方で、ハウジングメーカーの住宅に多く採用されていると思います。

 

一方重量鉄骨は木造に比べると太めの柱を立て、梁を組んで骨組みを造ります。

鉄骨の大きさを検討することで、大きなスパン(柱と柱の間が広いこと)を確保できますので、大きな窓を作りたい場合などは有効ですね。

 

構造柱も木造ほど細かく入れる必要がないので、そういった意味ではプランの自由度が高いとも言えます。

 

外壁も屋根も木造と同じように造ることも可能ですが、建物重量が木造に比べると重くなります。

基礎も大きくなるため、コスト的には一般的な木造よりはかかるかと思います。

 

 

3)鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋を籠のように組んで、そのまわりを型枠とよがれるベニヤの板で囲い、その中にコンクリートを流します。そしてそのコンクリートが固まったら、型枠を外すと建物が姿を現します。

型枠で組むことができれば、基本的にどんな形の建物でもできますし、全体がひとつながりで構成されるので、いろんな材料を組み合わせて造る木造とか、鉄骨造に比べると仕組みが簡単と言えます。

 

また、重量が重いので、基礎も大がかりになりますが、反面台風などが来て、強い風が吹いてもビクともしません。不燃材料ですから、耐火性も優れています。

堅牢ですし、安心感もありますね。

 

ただ、欠点は熱伝導率がずいぶん高い材料だということです。

この熱伝導率が高いということは熱を伝えやすいということで、木材と較べると8倍くらい高くなっています。

ですから、僕の家はコンクリート打放ですが、とっても厳しい環境となります。

夏はとっても暑く、冬はとっても寒いのです。

 

コンクリートの家は、断熱をしっかり考えた方がいいですね。

 

以上が本当に大雑把な各構造の説明ですが、コスト的には一般的には高い順に、RC造ー鉄骨造ー木造の順になります。

 

さて、あなたはどんな構造がお好みですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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