08:建築の持つ2つの側面
建築には2つの側面があります。
1つは機能的側面、もう1つは意匠的(デザイン的)側面です。
機能的側面には、その建築が持つべき使い勝手、室内環境、省エネルギー性などがあげられるかと思います。
私たちはこれらを満足させるために、プランニング、空間構成、空間ボリューム、建築の仕組み、素材の選択、設備仕様などを検討し、建築として組み立てていきます。
次に意匠的(デザイン的)側面では、主に外観のデザイン(表情)、インテリアのデザインを考えます。
この時、同時に照明器具、空調の吹出口、吸込口、換気扇などの様々な設備機器の形状、色などを検討し、さらにそれらの配列が機能を満足しつつ、意匠的にバランスが取れるようにと頭を悩ませます。
建物ができるということは、そこに大きな構築物ができるわけで、否応なくその周辺での景観にも関わってきます。
また、インテリアではそのデザインによって、居心地の良さあるいは働きやすさ、モチベーションにも関わってくるわけですね。
ですから、できれば魅力的に造りたいですよね。
設計者はこうした2つの側面を総合的にバランスを取って、お施主さんにとって最適な設計になるように努めるわけです。
ただ、このバランスの取り方がコラム04でも触れましたが、設計者によって異なってきます。
機能性を重視し、意匠性はあまり重視しない設計者、逆に意匠性ばかりを追う設計者、そして両方を考える設計者です。
さらにここで問題を難しくしてくるのが、コストという要素です。
何かをすれば必ずコストに跳ね返ってきます。
ここでもまたバランスを考えなくてはなりません。
いやー、難しいですね。
でもこの難しさが、設計者にとってはたまらなく面白いのです。・・・・と言っておこうかな。
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