家相は気にしますか?

「家相は気にしますか?」
この問いに、今の若い人なら、
「気にしません」
と言われるか、
「家相?何それ」
と言われるかもしれませんね。
最近では、「家相」と言う言葉は
あまり聞かなくなりました。
僕自身もあまり気にはしませんが、
僕たち(60代)より上の世代が特に気にされるかもしれません。
そもそも「家相」とは何か
「家相」を気にする必要があるのか、少し考えてみたいと思います。
家相とは、家の方角や間取り、玄関・台所・トイレなどの配置によって、
住む人の健康や運勢、家庭の繁栄などが左右されると考える、
日本の伝統的な住まいの考え方です。
昔の住宅には、現代のような断熱材や暖房設備、衛生設備が十分に整っていませんでした。
そのため、日当たりや風通し、湿気、火災、排水などへの配慮が、
住む人の健康や快適性を大きく左右していたと言うことですね。
例えば、家相ではトイレや台所、浴室を
鬼門、裏鬼門に配置しない方が良いとされています。
鬼門、裏鬼門とは、家の中心からの方向のことで
- 鬼門:北東方向
- 裏鬼門:南西方向
鬼門・裏鬼門は、中国から伝わった方位思想などの影響を受け、日本で発展した考え方です。
これらの方角を不吉な方位と捉え、家の重要な場所や水回りの配置に注意を払うようになりました。
では、なぜ特にトイレやキッチン、浴室が避けられてきたのでしょうか。
水回りを避ける理由として考えられること
① トイレ:衛生と臭いの問題
昔は水洗トイレや下水道が普及しておらず、
排泄物の処理や臭い、害虫などが問題でした。
鬼門である北東側は、日当たりが悪く湿気が溜まりやすいほか、
冬場は冷えやすい環境となります。
この位置のトイレは、ヒートショックの恐れなどあり、避けるべきとされています。
② キッチン:火災や食品衛生の問題
昔の台所では、かまどなどで火を使い、煙や熱への対策が必要でした。
また、食品の保存環境も現在ほど整っていませんでした。
鬼門である北東側ではカビの繁殖が心配され、
裏鬼門の南西は西日が強く、食材が痛む可能性があります。
③ 浴室:寒さと湿気の問題
昔の浴室は断熱性が低く、冬場には寒さが厳しくなりやすい場所でした。
入浴時の急激な温度変化や、湿気による木材の傷みなども問題になり得ました。
特に鬼門の北東では、冷えやすいので避けるべきでしょう。
この様に、設備の整っていない時代であれば、
家相は合理的な考え方であったと思われます。
しかし、現代の住宅は、トイレは水洗となり、断熱性能は高く、エアコンで寒さはしのげ、
換気によって、空気の清潔さは保たれます。
そのため、ことさら家相を気にして、水回りの配置を
考える必要は無くなってきています。
ただ、それでも気になる場合は、設計段階で、
あらかじめ家相を検討項目に入れておけば、
家相を尊重しながら、かつ快適な家の設計は可能です。
僕の経験では、特にトイレの位置を気にされる方が多かったように思います。
そのため、今でも設計段階で、トイレの位置だけは
極力、鬼門、裏鬼門を避けるように計画してはいます。
あまり、神経質になる必要もないとも思います。
皆さんは気にされますか?

