ラワンベニアの内装ってどう?|「まだ工事途中か」と言われた家のその後

その昔、僕がまだ大学出たてのペイペイだった頃のお話です。

所長の友人の家の設計を担当しました。

コンクリート打ち放しの柱と梁をあらわしにして、

壁は木造でつくる、いわゆるRCと木の「混構造」と言われるもので

とてもシンプルな三角屋根(切り妻)のお家でした。

予算も厳しく、内装は全てラワンベニアです。

建築好きの方なら、おわかりいただけると思いますが、

コンクリート打ち放しとラワンベニアはイメージ的には

とてもよく合う

はずでした。

いや、合ってました。

でも、施主さんは違いました。

家に入って、ひととおり見まわしたあと、

「足立くん、これってまだ工事途中だよね?」

「これから仕上げるんでしょ?」

「・・・いえ・・・・・これでおしまいです」

と恐る恐る返事をすると

所長は

「大丈夫、大丈夫、すぐ慣れるから」

と、全く平気です。

所長、すご!

と思いました。

40年以上、昔の話ですから、

当時はCGもなく、

事前に内装の完成イメージは掴めなかった時代です。

施主さんが驚くのも無理もありません。

施主と所長は大学時代の友人ですから、

施主も半信半疑で、

「そうかな????」

と言いつつも、その場はおさまりました。

さて、それから1年後

1年点検でお伺いしました。

その時の施主の言葉

「いやーこの家すごくいいね!

住めば住むほど、味わいが出てきて、いいよ!

コンクリートとラワンベニアの素材感がマッチしていて

飽きがこないデザインだ。」

と、大喜びでした。

「ああ、よかった」

とつくづく思いました。

確かに、一般的な住宅の内装といえば、

クロスを張った壁や塗装仕上げなどを思い浮かべる方が多いでしょう。

木目がそのまま見えるラワンベニアの壁や天井は、

少し見慣れないものですし、違和感も大きかったと思います。

ラワンベニアは、合板の表面にラワン材を使ったもので、

木目や色合いに独特の表情があります。

一般的には下地材として目にすることも多い材料ですが、

仕上げとして使えば、その素朴な表情を空間に生かすことができます。

もちろん、ラワンベニアなら何でも美しい仕上がりになるわけではありません。

木目や色合いにはばらつきがあり、板の割り付けや納まりによっても印象は変わります。

ただ、コンクリート打ち放しの無機質な表情と、ベニアの木の表情を組み合わせることで、

素材そのものの表情を生かすことができたと思っています。

このお宅には

これまでに何度かお伺いしているのですが、

まだ、続きがあります。

竣工して、20年ほどした時に、こんなお話を聞きました。

「娘がね、言うんですよ。

私、このお家が大好きなの。

だから、結婚して家を建てるときは、

全くこれと同じ家を建てたいの」

と。

これには、驚きました。

設計を担当したものとして、すごく嬉しい一言でした。

遠い昔の思い出です。

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