玄関って必要?|玄関について改めて考えてみた

テレビの住宅番組や、住宅雑誌をみていると
最近の住宅では、いわゆる「玄関」といわれるものが
無いお家がよく見受けられます。
たとえば
リビングもしくはダイニングへ直接入るケース
LDKと一体となった土間を設けて、そこから出入りするケース
土間すらなく、リビングの掃き出し窓から直接出入りするケース
などがあります。



そうか、最近は玄関なんか作らないんだ。
なんて思ったものですが、
よくよく考えてみると
昔の民家で田の字型のプランのお家には、現代のような玄関なんてありませんでした。
どんな感じかといえば、田の字型に和室が4つあって、その横に土間があります。
この土間には外に面して、出入り口としての引き戸があり
土間が玄関を兼ねています。

そうしてみると、玄関がなく、土間から入る家が先進的に見えましたが、
実は、むかしにもどったともいえますね。
今でも大多数のお家で玄関がありますが、
さてこの「玄関」、いつ頃から作られるようななったのでしょうか。
日本の玄関は、もともと現在のように一般家庭にあるものではありませんでした。
鎌倉時代: 禅宗寺院で「玄関」という言葉が使われ始めます。もともとは仏教の奥深い教えに入る関門という意味でした。
室町時代~安土桃山時代: 武家住宅にも取り入れられ、正式な来客を迎える格式ある場所となります。
江戸時代: 玄関は身分や家の格式を表すものとなり、立派な玄関を設けられるのは主に武家や一部の上層住宅でした。
明治~大正時代: 一般家庭にも玄関が普及し始めます。
昭和時代以降: 靴を脱ぐ場所、来客を迎える場所、収納など、現在のような日常生活に欠かせない空間として定着していきました。
「玄関」は明治時代頃から、一般化したんですね。
結構最近です。
ただ、格式を表すという歴史もあって、ちょっと古くて立派なお家には
立派な玄関があるのも納得できます。
これまで、玄関があたり前と思ってきましたが、
ここで、「玄関」の役割について考えてみます。
玄関の役割は大きく分けて次の4つかと思います。
- 外と内を分ける
- 靴を脱ぎ履きする
- 来客を迎える
- 収納する
この4つの機能を満たせば、玄関の役割は果たせます。
そう考えれば、
この4つの機能を満たす空間が作れるのであれば、
いわゆる「玄関」という空間は必要ないともいえますね。
家を考える時に、これまであたり前と思っていたものを
考え直してみると、新しい解決のしかたが出てくるかもしれません。
このあたり、設計の面白いところでもあります。

