注文住宅で「なんとなく違う」と感じる理由|自分にあう家をみつけるには

数年前に、小学校からの友人のN君の家のリノベーションをお手伝いしました。
その時に、友人がこんなことを言っていました。
ハウスメーカーをいくつか調べて、ここならいいかなと
思うところを1社決めました。
そこで、希望を伝えて提案を待つことにしたのです。
2週間ほどで、プランとインテリアのパースが提案されました。
「悪くはないとは思うけど、ちょっと違うな」
「綺麗にまとまっているけど、どうもしっくりこない」
そう思ったN君は、営業担当の方にお願いして、また別の提案をしてもらいました。
でも、やっぱりピンとこない。
そんなことを数回繰り返した時に
営業担当の上司の方から
「Nさんは、自分がどんな家が欲しいのか、自分でもわからないのではないですか?」
と言われたそうです。
この話を聞いた時に、ふと
これって注文住宅を建てようと思っている人たちに、
よくある話かもしれないな
と思いました。
なぜ、提案に対して、ピンとこなかったり、違和感を感じるのか
N君が担当の上司から、
「もしかすると、あなたはどんな家が良いのか、自分でもまだわからないのではないですか」
と言われたのは、ある意味当たっていると思います。
ただ、それは施主が悪いという意味ではありません。
むしろ、自分がどんな家に住みたいのかを最初から明確に言葉にできる人のほうが少ないと思います。
例えば、
「広いリビングが欲しい」
という希望があったとします。
でも、なぜ広いリビングが欲しいのでしょうか。
家族が集まる場所が欲しいからかもしれません。
友人を招いてパーティーをしたいからかもしれません。
ソファに座ってテレビを見る時間を大切にしたいからかもしれません。
あるいは、庭とのつながりを感じられる開放的な空間が欲しいのかもしれません。
この「なぜ?」によって、必要な家のつくりは変わってきます。
このあたりのことをきちっと理解した上での提案でないと
「なんとなく違う」
「なんか違和感がある」
ということになります。
それは
提案された家と、自分たちが本当に大切にしたい暮らしとの間に、
少しずれがあるからなんだと思います。
設計者の仕事は、施主の希望をそのまま間取りにすることではありません。
この「なんとなく違う」の中に、まだ言葉になっていない希望が隠れているかもしれません。
「何が違うのか」を一緒に考えてみる。
そこから、本当に自分たちに合った家づくりが始まるのではないでしょうか。
僕たち設計者の役割は、
まだ言葉になっていない「こう暮らしたい」を見つけ、それを空間として形にしていくこと。
それが住宅設計において、もっとも大切なことなのではないかと思います。

