1981年 田村設計入社

~ 建築漬け ~

大学を卒業して、栄という繁華街のどまんなかにある田村設計に入社しました。

所長とスタッフが1名という創業4年目の小さなアトリエ事務所です。

就職が決まった時に、手伝ってほしいと言われ、在学中から顔を出していました。

 

始業は9時からだったのですが、9時に事務所に行くとまだ誰もいません。

先輩が出社するのが9時半頃です。

それからお湯を沸かして紅茶を飲みながら仕事につくといった、とてもまったりとした事務所でしたが手伝いは楽しいものでした。

研究室で鍛えられていたので、ずいぶん楽な感じがしたものです。

 

そして4月1日、いよいよ正式な出社日です。いつものように9時半に事務所に行くと、なんと

所長と先輩はもう仕事をしているではないですか。

そして所長から「足立君、遅いよ」と叱られてしまいました。

内心では「そんな。フェイントだよ」と思いましたが、社会人としての認識が甘かったのですね。

 

田村設計では入社後1年ほどから物件を担当させてもらいました。わからないことだらけで、

土日も関係なく毎日遅くまで仕事をしましたが、とにかく図面を書くことが楽しくて、思い出深い日々です。

 

この当時所長からは、「設計というものはね、5年で一通りわかるようになり、

10年でやっと一人前になれるんだ」と教えられました。

まだまだ先は長い、早く歳をとりたいと思ったものです。

 

右の写真は入社して初めて作った模型のとなりで記念撮影です。

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