01:建築士の役割ってなに?

2019年8月22日

建築士の役割とは、「建て主さんの夢、希望をしっかりと聞いて、それを咀嚼し、建築という形あるいは空間に翻訳すること」と言えるのではないかと思います。

 

完成した建物は建て主さんが思っていた以上の出来栄えを目指し、その実現のために日々努力することが建築士の役割だと思います。

 

それでは実際には何をしているのでしょうか。

実際の設計の大まかな流れは設計の流れをご覧ください。

 

私たち建築士は建てるべき建築の設計図を何十枚と書きます。

ゼネコンはその図面を元に建物を造ります。

 

それでは図面が何十枚となくては建物はできないでしょうか。

答えはNOです。

 

住宅でお話をすると、極端なことをいえば間取り図さえあれば大工さんが難なく造ってくれます。

それで全く問題はありません。

 

ただ、一般的なケースであえて問題点をあげるとすれば次の点が言えるのではないかと思います。

 

1)造り手(ゼネコン、大工さん)を先にきめなければならない。

2)見積もりはその造り手に出してもらいますが、詳細な図面がないため、他者と比較することができない。

3)造り手は施工の専門家ですが、設計の専門家ではないため、はたしてその設計が良いのか悪いのかは素人である建て主が判断しなければならない。

4)かかっている予算と材料、設備などの仕様が見合っているかどうかの判断も建て主がしなくてはならない。

5)変更があった場合に、その工事金額の増減の根拠が図面がないため判然としない。

6)工事が適正におこなわれているかどうかも図面がないため判断基準がない。

 

概ねこんなところかと思います。

いろんな心配事がでてきますので、造り手は信頼できるところを選ぶ必要があります。

 

さて建築士がいる場合はどうでしょうか。

 

1)造り手を先に決める必要がない。

2)設計図を元に数社のゼネコンに見積もりを出してもらい、安く適正なところに決定ができる。

3)設計が専門のため、希望に沿った間取り、外観のイメージ、内装のイメージなどが提案されるので、納得して設計を進めることができる。

4)詳細な図面があり、それに沿った見積もりで契約するため、予算と仕様の不整合の心配がない。

5)変更があった場合も、原設計の仕様が明確なため、変更金額は明確にだせ、建築士が査定を行うため、安心。

6)現場では工事が図面通りにできているかどうかを建築士が責任を持って確認するため、安心。これを工事監理と言います。

 

いかがでしょうか。

建築士の役割がおわかりいただけたかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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