名城大学卒業
~ 建築の原風景 ~
さて3年生から晴れて正式なゼミ生です。毎日朝の10時から夜の10時まで研究室にいます。
バイトは原則禁止、夏休みの間は幡豆にある先生のお宅で合宿です。
合宿では朝早くから魚市場に行き、食材を買ってきて、朝食の準備、そして掃除。
掃除では床、建具、土間からトイレの便器まであらゆるものをきちっと磨き上げます。
そして勉強。昼からは海で泳いで、また勉強あるいは昼寝、夕方からは食事の準備、そして夕食。
この夕食ではビール、日本酒、ウィウスキー、ワインなどチャンポンで飲みます。毎日どんちゃん騒ぎです。
若さに任せて記憶がなくなるまでよく飲んだものです。
先生のお宅は昔ながらの、いわゆる田の字型のプランの木造住宅です。ここでの生活は先生と一緒ということで、緊張を強いられるものではありましたが、強烈に生活というものを感じさせてくれました。夏は窓から爽やかな風が吹き抜けて涼しく、昼寝しているととっても気持ちがいいのです。
そして空気が綺麗で、食事のなんと美味しいことか、昔ながらの家がこんなにいいものかと思わずにはいられませんでした。
これが生活なんだと、貴重な体験でした。
研究室では具体的な設計というよりも、生活を通じて設計に必要なより根本的なことを教えてもらったのだと思います。
とても濃密な学生生活でした。
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