9坪の家はダイニングが主役|4.5畳ダイニングを暮らしの中心にする設計

前回のブログでは、9坪という限られた住まいの中で、9坪で暮らす工夫|収納は「量」ではなく「配置」で考えるという内容で、効率よく収納するための考え方をご紹介しました。
今回はダイニングについてです。
9坪という限られた面積の家では、
リビング・ダイニング・書斎といったように、
空間ごとに役割をきっちり分けることは現実的ではありません。
だからこそ大切になるのが、
ひとつの場所に複数の役割を持たせることです。
今回の計画では、その中心となるのが
4.5畳のダイニングです。
食事をするだけでなく、くつろぎ、作業し、日常の多くの時間を過ごす。
この家にとってダイニングは、
“リビング”でもあり、“ワークスペース”でもある場所です。
そのため、単なる食事の場ではなく、
長時間いても心地よい空間として設計することを重視しました。
9坪の家はダイニングが主役|4.5畳ダイニングを暮らしの中心にする設計
ダイニングは「食べる+くつろぐ」を両立する場所に
この家では、ダイニングが最も長く滞在する場所になります。
一般的なダイニングチェアは「食事のための椅子」であり、
長時間座ることはあまり想定されていません。
そこで今回は、
“くつろぐこともできるダイニングチェア”という考え方でダイニングチェアを探しました。
その条件としては
・背もたれの角度がやや緩やか
・座面にゆとりを持たせる
・適度なクッション性を確保する
この3つです。
施主さんといろいろ探し、検討した結果、これだなというダイニングチェアが見つかりました。
マルニ木工さんの、Roundish アームチェアです。


ちょっとふっくらとした丸みのあるデザインがとても気に入りました。
この椅子ならソファのようにリラックスできる居心地をつくれそうです。
そして、ダイニングテーブルを照らす照明器具は、これも奥さんのご希望のルイスポールセンの「PH5mini]です。
この器具は昔からの人気の器具です。
光源が直接目に入らないよう工夫され、シェードにも間接的に光があたり、とてもいい器照明具です。

このように、狭い空間ではありますが、自分たちの気に入った物に囲まれて生活できるのは、とてもっすばらしいことだと思います。
TV台+ワークカウンターで“家事の居場所”をつくる
ダイニングのすぐそばには、
TV台を兼ねたワークカウンターを設けています。
ここは、家計簿をつけたり、
ちょっとした書き物や作業をしたりするための場所です。
奥さんのたっての希望でした。
ポイントは、
「わざわざ別の場所に移動しなくても使えること」。
ダイニングとゆるやかにつながることで、
食事の合間や日常の流れの中で、自然に使うことができます。
また、TV台と一体化することで、
限られた面積の中でも無駄なスペースをつくらず、
機能をコンパクトにまとめる工夫にもなっています。
小さな家では、場所を増やすのではなく、
ひとつの場所の使い方を広げることが大切です。
収納と設備を一体化して“見せない設計”にする
このワークカウンターは、収納としての役割も兼ねています。
日常的に使うものをまとめて収めることで、
ダイニングまわりをすっきりと保つことができます。
さらに、
床下エアコンをこのカウンター内に組み込む設計としています。
設備機器は生活感が出やすい要素ですが、
家具と一体化することで存在を感じさせず、
空間全体をすっきりと見せることができます。
狭い家では、収納・家具・設備を別々に考えるのではなく、
ひとつにまとめて設計することが重要です。
それによって、見た目だけでなく、
実際の広さ以上の“余白”を感じられる空間につながります。
それでは実際の計画案を見てみます。
実際の計画案
TV台を兼ねたワークカウンター
4.5畳の狭いダイニングにTV台を兼ねたワークカウンターを設けて、いくつかの機能を持たせています。
- 家計簿のような書きもの、ミシンかけなどのための作業デスク
- 収納用引き出し
- 暖房専用の床下エアコン
さらに空間を有効利用するために上部に収納用の吊り棚も設けています。

Sc
reenshot

床下エアコンとは、一般の家庭用エアコンを床下に半分ほど埋め込んで、暖気を床下に送り込んで、床下から各部屋に暖気を送り込んで暖房をするシステムです。
詳しくは、「床下エアコンとは?仕組み・メリット・注意点をわかりやすく解説」をご覧ください。
完成イメージ
出来上がりはこんな感じです。

狭いダイニングですが、造り付けの家具で、いろいろな機能を効率的にまとめるようにしました。
まとめ|ダイニングを「家の中心」として設計する
9坪というコンパクトな住まいでは、
ダイニングは単なる食事の場ではなく、
暮らしの中心となる場所になります。
・くつろげる椅子
・作業できるカウンター
・収納や設備の集約
こうした工夫を重ねることで、
限られた面積の中でも、
小さくても豊かに暮らせる空間をつくることができます。
空間を細かく分けるのではなく、
ひとつの場所を丁寧に設計する。
それが、狭い家で快適に暮らすための、
大切な考え方だと感じています。
狭小地やコンパクトな住まいをご検討の方、
あるいは「小さくても豊かに暮らしたい」とお考えの方は、
ぜひお気軽にご相談ください。

