9坪で暮らす工夫|収納は「量」ではなく「配置」で考える

前回のブログでは、9坪という限られた住まいの中で、寝室は小上がり和室にして「収納」と「くつろぎ」を兼ねるという内容で、効率よく使える空間にする考え方をご紹介しました。

コンパクトな住まいでは、単に広さを削るのではなく、
一つの空間に複数の役割を持たせることが重要になります。

「寝る」「くつろぐ」「しまう」という機能を一つに重ねることで、限られた空間でも、暮らしに無理がなく、むしろ豊かさを感じられる住まいになります。

そんな中で、今回は収納についてのブログです。

寝室を兼ねた小上がりの和室での、押入れの考え方についてです。

9坪という極端に 狭い空間では、幅1,800、奥行き900というような一般的な押入れを作ってしまうと、面積を取りすぎてしまいます。

そこで、今回はどのように考えたか、ご紹介します。

目次

9坪の家でも片付く理由|収納は「量」ではなく「配置」で考える

1|収納は「量」より「配置」で考えるべき理由

9坪の家では、使える面積に限りがあります。
その中で収納量を増やそうとすると、居場所そのものを削ることになってしまいます。

例えば、押入れやクローゼットを大きく取れば安心感はありますが、その分リビングや寝るスペースは確実に狭くなります。

ここで発想を変える必要があります。

大切なのは、「どれだけ入るか」ではなく、
「どこに、何を、どれだけ置くか」を整理することです。

特に布団や衣類のように、かさばるものは要注意です。
敷布団、掛け布団、毛布、シーツといった要素に分解して考えると、本当に必要な収納の形が見えてきます。

すべてを一か所にまとめてしまうのではなく、使い方や頻度に応じて配置を考える。
これだけで、必要な収納の大きさは大きく変わってきます。


2|押入れの常識を疑う|幅1800×奥行900は本当に必要か

一般的な住宅では、押入れは「幅1800mm・奥行900mm」程度でつくることが多いと思います。

ただ、この寸法は広さに余裕のある家での“標準”です。
9坪の空間にそのまま当てはめると、収納のためにかなりの面積を使うことになります。

さらに奥行き900mmというのは、一見たくさん入りそうですが、
実際には奥のものが取り出しにくく、使い切れないことも多い寸法です。

結果として、「広いけど使いにくい収納」になってしまうケースも少なくありません。

9坪では、この“当たり前”を一度疑うことが重要です。

本当にそのサイズが必要なのか。
そもそも横に広げる収納である必要があるのか。

収納の前提を見直すことで、空間の使い方は大きく変わります。


3|布団は“縦”に収納する|面積を減らす発想

そこで今回考えたのが、布団を「横」ではなく「縦」に収納する方法です。

一般的な押入れは、布団を横に積み重ねて収納する前提でつくられています。
そのため、どうしても幅も奥行きも大きくなりがちです。

一方で、布団を立てて収納するようにすると、必要な面積はぐっと小さくなります。

例えば、横に並べるのではなく、縦方向に収めることで、
収納スペースをコンパクトにまとめることができます。

この発想に変えるだけで、収納のために使っていた面積を最小限に抑えることができ、
その分、生活空間にゆとりを持たせることができます。

この考え方は、ワードローブにも応用できます。

服の量を見直し、必要な分だけをコンパクトに収める。
そして動線上に配置することで、大きなクローゼットをつくらなくても十分に機能します。

それでは、K邸ではどのように考えたかご説明します。

実際の計画案


「押入れ」と「ワードローブ」をコンパクトに縦に並べる

Screenshot
Screenshot

K邸では、敷布団はエアウィーブ、掛け布団は羽根布団でした。

エアウィーブは立てて収納することが可能です。今回は三つ折りにして収納します。

また、羽根布団も縦に二つ折にした上で三つ折りにすることで、縦向きに収納しやすくなります。

普通の押入れは、布団を横向きにしまいますが、このように縦にしまうことで、押入れをコンパクトにすることが可能になります。

押入れは、中央に間仕切を設けて、夫婦二人分の領域を作ります。

そして、縦に3分割して、下から、敷布団、シーツと毛布、掛け布団の順にしまいます。

押入れがコンパクトになりましたので、その横に、ワードローブを上下2段でこれもコンパクトに作りました。

必要最低限の服を掛ける予定です。

完成イメージ

出来上がりはこんな感じです。

わずか9坪の住まいですから、狭さを感じさせないように、OPENな空間として、緩やかに領域を分けています。

Screenshot

押入れなどは、かなりコンパクトに収まっているのではないでしょうか。

さて、この9坪の住まいには、いわゆる「居間」としての部屋を単独で儲ける余裕はありません。

くつろぎのスペースとして、和室を設けていますが、暮らしの中心となるのは、4.5畳のダイニングになると思います。

次回のブログでは、9坪の家はダイニングが主役|4.5畳ダイニングを暮らしの中心にする設計というテーマでお話ししようと思います。

まとめ

9坪のようなコンパクトな住まいでは、
収納は「あとから足すもの」ではなく、最初にしっかり考えておくべき重要な要素です。

そしてその考え方も、これまでのように「どれだけ収納をつくるか」ではなく、
「どこに、何を、どう収めるか」へと切り替える必要があります。

収納量を増やせば安心、というのは広さに余裕がある場合の話で、
限られた面積の中では、収納がそのまま生活空間を圧迫してしまいます。

だからこそ、

  • 持ち物を一度細かく分解して考えること
  • 押入れのような“当たり前の寸法”をそのまま採用しないこと
  • 横に広げるのではなく、縦に収める発想に切り替えること

こうした視点がとても重要になります。

例えば布団一つとっても、ただ「押入れに入れる」のではなく、
どうすればコンパクトに収まり、出し入れしやすく、日常の動きに無理がないかまで考えることで、必要な収納の形は大きく変わります。

限られた広さだからこそ、量に頼るのではなく、配置を整える。
その積み重ねが、9坪でも無理なく、心地よく暮らせる住まいにつながっていくのではないかと思います。

コンパクトな家でも快適に暮らしたい方、
限られた面積の中で無理のない間取りを考えたい方は、
お気軽にご相談いただけたらと思います。

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