愛知で注文住宅を考えるなら|設計事務所の仕事と依頼するメリットを解説

「家を建てたい」と思ったとき、最初に迷うのが「どこに相談すればいいんだろう?」ということではないでしょうか。ハウスメーカー、工務店、設計事務所──いろいろな選択肢があるなかで、「設計事務所って実際どんなことをしてくれるの?」「建築家に頼むなんて、自分たちにはちょっとハードルが高そう…」と感じる方も少なくありません。

たしかに、設計事務所と聞くと「なんとなく専門的で、敷居が高い」というイメージを持たれがちです。でも実は、設計事務所こそが一番「住む人の暮らしに寄り添って、家づくりを一緒に考えてくれる」存在なんです。

わたしたち建築士は、ただ間取りを描くだけではありません。家づくりの最初の相談から完成まで、そして住み始めたあとのことまで、一緒に考えながらサポートするのが仕事です。「どんな家がいいのか、まだはっきりしていない」という段階からでも、安心してご相談いただけます。

この記事では、「設計事務所ってどんな仕事をしているのか?」「ハウスメーカーと何が違うのか?」「どんな人に向いているのか?」といった疑問に、できるだけわかりやすくお答えしていきます。愛知県で注文住宅をご検討中の方に向けて、地域の特性もふまえた家づくりの考え方や、設計事務所に相談するメリットもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

設計事務所の仕事とは?

■ 建築士の役割

設計事務所には、「建築士」という国家資格を持った専門家が在籍しています。
「建築士=間取りを考える人」というイメージがあるかもしれませんが、実際の仕事はそれだけではありません。

建築士の仕事は、お施主さんのご要望をかたちにするだけでなく、建てる場所の法律的な条件や、構造的な安全性、断熱や採光といった快適さ、省エネ性能まで、住まいに関わるあらゆる要素をバランスよく整えること。そのうえで、見た目も暮らしやすさも両立させた「そのご家族にぴったりの家」を設計するのが役割です。

たとえば、「この土地には建てられる面積に制限がある」「道路との高低差がある」「南側に大きな建物が建っていて日当たりが不安」など、敷地にはさまざまな条件があります。そうした情報をもとに、できるだけ希望に近づけるためのプランを考えるのが建築士の仕事です。

さらに、「この間取りなら風が気持ちよく通るな」「この場所に窓をつければ、朝の光がちょうどダイニングに入るな」といった、暮らし心地に関わる工夫もプラスしていきます。

つまり建築士は、「どうすれば、その家族の暮らしがより豊かになるか?」を一緒に考え、技術とアイデアでかたちにしていく“家づくりのパートナー”なんです。


■ 設計から工事監理まで、一貫して関わる

設計事務所の仕事は、図面を描いて終わりではありません。
実際に建築工事が始まってからも、現場に足を運び、「図面通りにきちんと工事が行われているか」「使われている材料や工法は問題ないか」などをチェックする「工事監理」という大切な業務も行います。

この工事監理があるからこそ、家の性能や仕上がりの質が保たれるんです。

例えば、断熱材の入れ方が雑だったり、コンセントの位置が図面と違っていたり、使うはずの建材が別のものに勝手に変えられていた…なんてことが、実は現場では起こり得ます。そうしたミスや変更を見逃さないために、設計者自身が定期的に現場をチェックし、必要に応じて修正や指示を出します。

つまり、設計者は“描いたものをつくる”だけでなく、“描いたものがちゃんとその通りにつくられるかを見届ける”ところまで責任を持っているのです。

このプロセスがあることで、住まい手としても「自分たちが思い描いていた家が、ちゃんとその通りにつくられている」という安心感につながりますし、「細かい部分までちゃんと見てくれている」という信頼にもつながります。

設計事務所とハウスメーカーの違いって?

■ 自由度と柔軟性の違い

家づくりを考え始めると、最初に悩むのが「どこに相談すればいいの?」ということ。ハウスメーカー、工務店、設計事務所──いろいろあって、何がどう違うのか分かりにくいですよね。

中でも、ハウスメーカーと設計事務所はよく比較されますが、いちばん大きな違いは「設計の自由度」です。

ハウスメーカーは、ある程度決まった間取りや仕様の中から選んでいく「セミオーダー」のスタイルが主流です。カタログを見ながら「このプランいいね」「この外壁が選べるのか」などと選ぶのはわかりやすいですし、品質が一定に保たれているのも安心感があります。

ただ、その反面、土地の条件や暮らし方に細かく合わせるのが難しいことも。たとえば、「変形した土地に建てたい」「リビングに吹き抜けをつくりたい」「玄関の位置を南側にしたい」など、少し個性的な要望をすると、「そのプランは対応できません」と言われてしまうケースもあるんです。

一方、設計事務所では、ゼロからプランをつくっていく「完全オーダーメイド」が基本。まずは「どんな暮らし方がしたいのか」からじっくりお話をうかがい、そのご家族に合った間取りや空間を一から設計していきます。

たとえば、旗竿地や狭小地、日当たりの悪い敷地など、「ちょっと難しい土地」であっても、むしろそれを活かすような工夫を盛り込んで設計できるのが、設計事務所ならではの強みです。

また、ご夫婦それぞれの趣味や在宅ワークスペース、子どもの成長や老後の暮らしやすさなど、将来も見据えたプランニングができるのもポイント。「こんな間取り、うちだけかも!」と思えるような唯一無二の住まいをつくることができますよ。


■ コスト感や対応範囲の違い

「自由に設計できるのは魅力だけど、費用が高くなりそう…」と心配される方も多いと思います。

たしかに、ハウスメーカーは本体価格やオプション料金などが明確に設定されていることが多く、「このプランでいくら」という金額がわかりやすいのが特徴です。一方、設計事務所の場合は、ハウスメーカーと違い、施工はしませんので、工事金額がいくらになるか、明確には明示できません。もちろん、この設計でいくらになりそうかの試算をして、提示はしますが、明確な金額は設計が完了して、工務店に見積もりを出して、初めて明確になります。

でも実は、設計事務所の方がコストの調整は柔軟なんです。

というのも、設計段階で「どこにお金をかけて、どこは抑えるか」を一緒に考えながら進められるからです。たとえば、「見えるところには無垢の床材を使いたいけど、水まわりはメンテナンス重視でコストを抑えたい」とか、「断熱性能は高めたいけど、外構は最低限でいい」といった優先順位に合わせた提案が可能です。

さらに、選べる建材や設備の幅も広く、メーカーの縛りがない分、価格と性能のバランスをとりながら家づくりができます。「高いもの=良いもの」ではなく、「自分たちに合ったちょうどいい選択」ができるのは、設計事務所ならではの魅力です。

それだけでなく、ハウスメーカーではあまり対応されないような部分──たとえば、敷地の特性を活かす配置計画、収納の使いやすさ、風通しや日当たりを考えた窓の配置、ちょっとした家具の造作、庭とのつながりを感じるデザインなど──そういった細やかな部分まで一緒に考えていけるのも、設計事務所ならではだと思います。

設計事務所に依頼するメリット

■ 暮らしに寄り添った設計ができる

設計事務所での家づくりは、間取りやデザインを決める前に、まず「どんな暮らしをしたいか?」というところからスタートします。

たとえば、「朝の支度がバタバタしない動線にしたい」とか、「夫婦それぞれにワークスペースがほしい」「洗濯動線をラクにしたい」「ペットが走り回れる家にしたい」など、暮らしの中のちょっとした希望や悩みも、じっくり聞かせていただきます。

そのうえで、「このご家族なら、キッチンを中心に回遊できる間取りが合いそうだな」とか、「このお子さんたちの年齢なら、将来的に部屋を分けられるつくりがいいかも」といった具合に、一人ひとりの生活スタイルに合わせて、空間をゼロから組み立てていくのが設計事務所のスタイルです。

既製の間取りに自分たちの暮らしを合わせるのではなく、「自分たちの暮らしにぴったり合った間取り」がつくれること──これが設計事務所の最大の魅力です。


■ 性能とデザインのバランスを大切にしている

住まいは見た目が良いだけでは、本当に快適とはいえませんよね。デザイン性だけでなく、断熱・気密・耐震といった“中身”の性能もしっかり確保されてこそ、心地よく暮らせる家になります。

設計事務所では、見た目の美しさと住宅性能のバランスをとても大切にしています。特に愛知のように、夏は蒸し暑く、冬は底冷えする地域では、「断熱性能の高さ」や「日射のコントロール」などが快適な暮らしに直結します。

「冬に足元が冷えるのがつらい」「夏に2階が暑くて寝られない」といった悩みは、性能の工夫でしっかり対策できます。設計事務所では、窓の配置や断熱材の種類、換気の仕組みなど、目には見えにくいけれど暮らし心地を左右する部分にまでこだわって設計します。

そして、そういった性能を裏側でしっかり押さえたうえで、外観のバランスや内装の素材、照明の雰囲気など、デザインの心地よさもしっかり追求していく。性能とデザインのいいとこ取りができるのも、設計事務所の家づくりならではです。


■ 中立的な立場で工務店と連携してくれる

設計事務所に依頼するもうひとつの大きなメリットが、「第三者的な立場で現場を見守ってくれること」です。

ハウスメーカーや工務店の場合、設計と施工を一社でまかなっていることが多く、「図面を描いた人」と「実際に建てる人」が同じ会社の人になることがほとんどです。そのため、現場で図面と違うことが起きても、施主が気づかない限りスルーされてしまう…ということも、残念ながらあります。

その点、設計事務所は「設計は設計者」「施工は施工会社」と役割が分かれていて、設計者が施主の立場に立って工事をチェックする役目を担います。

たとえば、「ここは設計図と違う材料を使っていないか?」「断熱材はちゃんと入っているか?」「コンセントの位置はこのままでOKか?」といった細かい確認を、現場で丁寧に行います。これがいわゆる「工事監理」という仕事です。

また、施主と設計事務所、施工会社との打ち合わせを定期的に行い、「この仕様だとコストが上がるけど、別の方法もありますよ」など、コスト面でもバランスよく調整してくれます。こうした中立的な視点と専門性があるからこそ、安心して家づくりを任せられるんですね。

■ 相見積もりで、複数の施工会社の比較ができる

設計事務所の場合は、施工業者を決めるにあたり、複数の業者に見積もりを依頼し、出てきた見積書をチェックして、その上で値打ちで信頼できそうな施工会社を選択します。これを「相見積もり」といいます。

このようなことができるのは、設計事務所の場合は、建物の平面、外観、内装、構造、設備などあらゆる内容・仕様を、何十枚という図面に描き表わします。そのため、どの会社が見積もっても、同じ内容で見積金額が出てきますので、公正な比較ができるわけです。

相見積もりでは、不思議なことに、同じ図面で見積もっても、金額に大きな差が出ることがあります。実際に「昭和区のお寺」で相見積もりをした時には、一番安い業者と一番高い業者では、その金額の差が、数百万ありました。

これはどちらが良い、悪いということではなく、施工会社によって、各メーカー、各下請けさんとの仕切値の違いや、施工や利益率に対する考え方の違いなどが反映されて、金額の差となって出てくるのです。

注文住宅の場合、工業製品と違って、定価というものが有りません。そのため、この相見積もりという方式は、少しでも値打ちにできる施工会社をさがすことのできる、有効な方法とも言えます。

もちろん、信頼できる工務店がある場合は、その会社に特命で依頼することもできますよ。

設計事務所を選ぶときのポイント

■ 設計の「考え方」や「価値観」が合うかどうか

設計事務所を選ぶときに、意外と見落とされがちだけど実はとても大切なのが、「その設計事務所が、どんな考え方で家づくりをしているか」というポイントです。

たとえば、「とにかくおしゃれなデザインを優先したい」「自然素材をふんだんに使いたい」「とことん性能にこだわりたい」「コンパクトでも心地よい空間が好き」など、家づくりに対する価値観や方向性は人それぞれですよね。

同じように、設計事務所ごとにも「何を大事にしているか」はけっこう違います。

ある事務所はデザインに特化していたり、別の事務所は性能・省エネに強かったり、また別のところは自然との調和や素材選びにとことんこだわっていたり…。だからこそ、「この事務所の考え方、なんだか自分たちに合ってる気がするな」と思えるところを選ぶのが、満足できる家づくりへの第一歩なんです。

ホームページの文章やブログの内容、施工例の写真をじっくり見てみると、その設計者が「どんな暮らしを理想と考えているか」が、けっこう伝わってきます。「こんな雰囲気、好きだな」「ここの家づくりの考え方、共感できるかも」──そんなふうに直感的に感じるものがあるかどうか、チェックしてみてください。

それからもうひとつ大事なのが、“人としての相性”。
相談していて「ちゃんと話を聞いてくれるな」「押しつけがましくなくて安心できるな」と思えるかどうかも重要です。家づくりは短くても数ヶ月、長ければ1年以上のお付き合いになることも。だからこそ、「この人となら一緒に考えていけそう」と思える設計者かどうか、じっくり見極めてみてください。


■ 暮らしやすさ・性能への配慮があるかどうか

「かっこいい外観」や「おしゃれな内装」に憧れるのは、家づくりを考える誰もが通る道ですよね。
でも実は、見た目が素敵なだけでは、毎日の暮らしが快適になるとは限りません。家は住み始めてからが本番。「あれ? なんか思ってたより夏が暑い…」「収納、全然足りない!」「子どもが走ると下の階に音が響く…」なんてことにならないように、暮らしやすさと性能面にしっかり目を向けてくれる設計者を選ぶことが大切です。

たとえば断熱性や気密性は、室内の快適さや光熱費のかかり方に直結します。
とくに愛知のような地域では、夏の蒸し暑さや冬の底冷えをどう快適に乗り切るかが重要。高気密・高断熱に加えて、風の通り道や日差しの入り方まで考えて設計されていると、エアコンに頼りすぎず心地よく暮らせます。

また、生活動線や収納計画も、暮らしやすさを大きく左右します。
「洗濯動線がラクで、干して→たたんで→しまうまでがスムーズ」とか、「使いたい場所に必要な収納がちゃんとある」といった細やかな工夫があると、毎日のちょっとしたストレスがぐっと減ります。

家事をするのも、くつろぐのも、子育てをするのも、その家に住む家族自身。だからこそ、「見た目のかっこよさ」だけでなく、日々の暮らしが本当に快適になるか?という視点を大切にしている設計事務所かどうかを、ぜひチェックしてみてください。

設計者のブログや完成見学会での説明などを通して、「性能の話をきちんとしてくれるか」「暮らし方の提案も含めて考えてくれるか」を見てみると、その事務所がどれだけ“住む人目線”で設計してくれているかが見えてきますよ。

■ 話をきちんと聞いてくれるかどうか

家づくりって、人生の中でも大きなイベントですよね。だからこそ、「こうしたい」「あれは避けたい」「今の暮らしのここがちょっと不満で…」という思いを、遠慮せずにどんどん話せる相手であることが大切です。

でも、いざ設計事務所に相談してみたら、一方的に説明されたり、「これはできません」「こうした方がいいです」と強く押されてしまったりすると、ちょっと構えてしまいますよね。

大切なのは、設計者がきちんと“耳を傾けてくれる人”かどうか
「何を望んでいるのか」「どんな暮らしがしたいのか」を、じっくり聞いてくれて、それを引き出してくれるような姿勢があるかは、最初の相談の段階でしっかり見ておきたいポイントです。

たとえば、「予算に限りがあるけど、ここはこだわりたい」といった悩みごとや、「こんな暮らし方に憧れてるけど、現実的にできるかな?」というふわっとした希望でも、ていねいに聞き取ってくれる設計者なら、話しているうちに考えが整理されて、「なるほど、そんな方法もあるのか」と前向きな気持ちになれます。

また、何を大切にしたいのか、どう暮らしていきたいのか──言葉にしにくい部分まで汲み取って、図面というかたちにしていくのが設計事務所の役割でもあります。だからこそ、コミュニケーションのしやすさや、誠実に向き合ってくれる姿勢は、信頼できるパートナーかどうかを見極めるうえでとても大切です。

「話しやすかったな」「こちらの気持ちをわかろうとしてくれている感じがしたな」と思えたなら、その設計事務所とはきっと良い家づくりができるはずです。

当設計事務所が大切にしていること

私たち 足立和太建築設計室 は、愛知県を中心に、住む人の「らしさ」や「心地よさ」を大切にした家づくりを行っています。

設計の際にいつも心がけているのは、「その土地に合った設計であること」と「住む人の暮らし方にちゃんとフィットしていること」。
どんな敷地にも、必ずその土地なりの特徴や魅力があります。たとえ旗竿地や変形地であっても、日射や風の動き、まわりの視線、景色の抜けなどを丁寧に読み取り、設計に活かしていきます。

また、「夏は涼しく、冬は暖かい家」をコンセプトに、断熱性能や気密性、パッシブデザインの考え方も大切にしています。冷暖房に頼りすぎず、自然の力を活かして快適に暮らせる家。デザインと性能のバランスを取りながら、住み心地のいい住まいを一棟一棟ていねいに設計しています。

家族構成やライフスタイル、これからの暮らし方までじっくり伺いながら、一緒に家づくりの方向性を考えていく──そんな「対話を大切にする家づくり」が、私たちのスタイルです。

「自分たちらしい家をつくりたい」と考えている方がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご相談ください。具体的なプランが決まっていなくても大丈夫です。「何から考えたらいいか分からない」ところから、丁寧に一緒に進めていきます。

無料相談・無料プランニングはこちらからどうぞ

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