夏涼しく冬暖かい家づくり｜断熱・気密・日射取得のポイント解説
「夏はエアコンをつけても暑いし、冬は暖房を入れても足元が寒い…」
そんな暮らし、できれば卒業したいですよね。
せっかく家を建てるなら、夏はひんやり涼しく、冬はポカポカと暖かい――そんな快適な住まいを実現したい、と思うのは当然のこと。でも実は、それを叶えるには冷暖房の性能だけでは足りないんですよ。
本当に一年中快適な家をつくるには、「家そのものの性能」＝断熱・気密・日射のコントロールがとても大切なんです。
たとえば、
- 外の熱をしっかり遮る断熱のしくみ
- 室内の空気が漏れにくい気密性
- 冬の太陽は取り込んで、夏の強い日差しは上手に遮る工夫
こうした建物の性能や設計の工夫がそろってはじめて、冷暖房に頼りすぎずに、夏も冬も心地よく暮らせる家になります。
このコラムでは、設計のプロの視点から、
「断熱・気密・日射取得ってなに？」「実際にどうやって設計に取り入れるの？」といった疑問にお答えしながら、
快適さと省エネを両立できる家づくりの基本を、わかりやすく解説していきます。
これから注文住宅を建てたい方、断熱性能にこだわりたい方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
目次
夏涼しく冬暖かい家とは？快適性の基本条件
室温の快適性はどこで決まる？
「家の中が暑い・寒い」と感じるとき、まず思い浮かべるのは“室温”ですよね。でも、実はそれだけではないんです。
人が「快適」と感じるかどうかには、室内の空気の温度だけでなく、壁や床、天井などの“表面温度”も大きく関わっています。
たとえば、冬の朝に暖房をつけて空気は暖まってきたのに、床が冷たくて足元が寒い…なんて経験はありませんか？これはまさに、表面温度の影響です。
この表面温度を左右するのが、断熱と気密の性能です。外の寒さや暑さをどれだけシャットアウトできるか、室内の快適な空気をどれだけ逃がさずに保てるか。そこがとても重要になってきます。
そしてもうひとつ忘れてはいけないのが、太陽の熱＝日射熱のコントロール。
冬は太陽の暖かさをうまく取り込むことで暖房の負担を減らせますし、夏は逆に日射をきちんと遮ることで、室内の温度上昇を防げます。
つまり、「夏涼しく冬暖かい家」をつくるには、
断熱・気密・日射取得（遮蔽）という3つの視点をセットで考えることが大切なんです。
エアコンだけに頼らない家のつくり方
「快適に暮らすためには、性能のいいエアコンがあれば十分じゃない？」と思われるかもしれません。
でも実際には、エアコンだけに頼った快適さには限界があります。
たとえば断熱性能が低い家では、冷暖房で一時的に室温が上がっても、外の暑さ・寒さがすぐに伝わってしまい、すぐにまた不快な状態に逆戻り。
しかも、室内の熱がどんどん外に逃げていくので、エアコンはフル稼働。電気代はかさみ、空気も乾燥しがちになります。
一方で、しっかりと断熱・気密がされている家は、一度暖めた（または冷やした）空気を長く保てるため、エアコンの稼働を最小限に抑えても、室内全体が快適な状態をキープできます。
たとえば、冬場にエアコンを一度つけたあと、しばらく消しても暖かさが残っていたり、夏に風を通すだけで涼しく感じられたり——
そうした「自然な快適さ」こそ、本当に暮らしやすい家の魅力だと思います。
断熱と気密の性能を高めることは、快適さだけでなく、省エネ性・光熱費の削減・環境負荷の軽減といった面でも大きなメリットがあります。
つまり、「設備に頼らず、家そのものが快適であり続ける」ことを目指すのが、これからの家づくりの基本なのです。
断熱の基本｜熱の出入りを防ぐしくみ
断熱性能とは？UA値の見方
断熱の性能を語るうえで欠かせないのが、「UA値（ユーエーち）」という指標です。
これは正式には「外皮平均熱貫流率」と呼ばれ、簡単に言うと「家全体からどれくらい熱が逃げやすいか」を表した数値です。
数字が小さいほど断熱性能が高いということになります。つまり、冬に室内を暖めたときに、その熱が外に逃げにくくなり、部屋全体が冷えにくくなります。逆に、夏は外の熱気が中に伝わりにくいので、室内は涼しく保ちやすくなるんです。
たとえば、愛知県のような温暖地域では、UA値0.46以下を目指すことで、夏に涼しく、冬に暖かい快適な家ができるのですが、
この数値だけを見ると少し難しそうに感じるかもしれませんが、要は「家の断熱性能を数値で見える化したもの」と考えてもらえればOKです。
設計の際は、このUA値を確認しながら、どの部位にどれだけの断熱材を入れるか、窓はどの程度の性能にするか、といった判断をしていきます。
断熱材の種類と特徴
断熱性能を高めるために使われる「断熱材」には、実はいろんな種類があります。それぞれに特長があり、性能だけでなく、コスト・施工性・素材感などによって向き不向きもあります。
ここでは代表的な3種類をご紹介します：
グラスウール（ガラス繊維系）
住宅でよく使われている定番の断熱材です。ガラスを繊維状に加工したもので、コストパフォーマンスに優れ、施工実績も豊富。
ただし、丁寧に施工しないと隙間ができやすく、断熱性能が落ちてしまうこともあるため、職人さんの腕や気配りが大切になります。
グラスウールについて詳しくは「袋入りグラスウール、コスパは良いが、施工は要注意！」をご覧ください。
セルロースファイバー（紙系自然素材）
新聞紙などを再利用してつくられる自然素材の断熱材。調湿性に優れていて、カビや結露の抑制にも効果的です。防音性能も高いので、静かに暮らしたい方にもおすすめ。
吹き込み工法で隙間なく充填できるので、気密性との相性も良い素材です。
硬質ウレタンフォーム（発泡プラスチック系）
発泡させて現場で吹き付けるタイプの断熱材。高い断熱性能と気密性を同時に確保できるのが特徴です。
壁のすき間にもピタッと密着するため、施工ムラが少なく、性能をしっかり発揮しやすいのも魅力。ただし、コストはやや高めです。
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どの断熱材が一番いい、というわけではなく、家の構造や設計方針、予算などによってベストな選択肢は変わります。
設計者としては、そうした要素を総合的に考えて、「この家にはこの断熱材が合いそうですね」とご提案するようにしています。
断熱設計の注意点
断熱材をしっかり入れていても、「熱橋（ヒートブリッジ）」や「隙間」があると、せっかくの断熱性能が大きくダウンしてしまいます。
たとえば、柱と柱の間にきちんと断熱材が入っていても、窓や配管まわりにすき間があると、そこから冷気や熱気がスーッと入り込んでしまうんです。
こうした“穴”を防ぐためには、以下のようなことに注意して設計・施工を行います：
- 断熱材がしっかり連続しているか？
→ 施工のしやすい構造を設計段階から考えておくことが大切です。 - サッシまわりや設備配管との取り合い部分に注意しているか？
→ 特に設備配管の貫通部は木枠で固定し、断熱材をしっかり充填することが大切です。 - 構造体の金物が冷気の通り道になっていないか？
→ 熱橋対策として、金物には吹付ウレタンでしっかり断熱します。
つまり、断熱設計は図面上だけでは完結しないということです。
現場での施工精度まで含めて、「どこからも熱が逃げない」ように設計者と施工者が一緒になって取り組むことが大切なんです。
気密の重要性｜すき間を防いで性能を保つ
C値とは？気密性能の指標
断熱と並んで、家の快適性を大きく左右するのが「気密性（きみつせい）」です。
簡単に言うと、「家のすき間の少なさ」を表すもので、その性能はC値（シーち）＝相当隙間面積という数値で表されます。
C値は、住宅全体のすき間を面積に換算して示したもので、この数値が小さいほど“すき間の少ない家”ということになります。
たとえば、C値1.0は「家の床面積1㎡あたり、１㎠のすき間がある」ということで、例えば100m2の家でしたら、家全体で100㎠（10㎝X10㎝）の隙間があるということです。これはハガキ一枚の面積(148㎠）より少し少ないといったイメージですね。
私たちの事務所では、0.5以下（はがきの半分以下）を目標にして、より高い気密性を目指すこともよくあります。
C値は新築時に「気密測定」という専門のテストで実際に測ります。
つまり、図面上の理想だけではなく、現場でちゃんと性能が出ているかどうかを確認できる、とても重要な指標なんです。
この気密性は、計算ででるものではなく、実際に現場で測定をして、初めて数値がわかります。したがって、現場で気密性を意識した丁寧な施工をしないと良い性能は出ません。
ということですから、もし、いつも気密測定をしてますという工務店がいたら、そこの会社は施工に信頼性が持てると判断しても良いといえると思います。
気密が悪いとどうなる？
「断熱さえちゃんとしていれば、気密はそこまでこだわらなくてもいいんじゃないの？」
実はそんなことはありません。
気密が悪い、つまり家にすき間が多い状態だと、せっかくの断熱性能が台無しになってしまいます。
たとえば…
- 暖かい空気がすき間から逃げる → 部屋がなかなか暖まらない
- 冷たい空気が入ってくる → 足元だけ寒い、温度ムラができる
- 湿った空気が壁の中に入り込む → 結露やカビの原因に
- 計画換気がうまく働かない → 室内の空気がこもりやすくなる
といったように、暮らしの快適さや健康面にまで影響してくるんです。
特に最近の住宅では、24時間換気システムが義務づけられていますが、家にすき間が多いと、計画どおりに空気が流れません。
その結果、「なんだか換気してるはずなのに空気がよどんでる気がする…」ということにもなりかねません。
高気密を実現するための設計と施工ポイント
気密性を高めるには、断熱材や設備の性能だけではなく、設計と施工の工夫の積み重ねがとても大切です。
以下に、実際の家づくりで私たちが意識しているポイントをご紹介します。
① 計画の段階から「気密ライン」を意識する
気密性を高めるためには、建物の“どこを空気の壁にするか”を最初からはっきり決めておく必要があります。
たとえば、壁の内側に気密シートを連続して貼るのか、外側で気密を取るのか、といったことを、設計段階でしっかり考えておくことで、現場でも迷いがなくなります。
② 配線・配管のすき間をきちんとふさぐ
電気の配線や水道・排気の配管など、壁や床に穴を開けて通す部分は、気密性を落とす大きなポイントです。
これらの貫通部には、専用のテープやパッキンを使って気密処理を丁寧に行うことが必要です。
職人さんと密に連携しながら、ひとつひとつ確実に仕上げていくことが、高気密住宅には欠かせません。
③ 断熱材と気密シートの納まり・テープ処理を丁寧に
断熱材の上に貼る気密シートや気密ボードの継ぎ目は、気密性を守る重要な部分です。
ここがきれいに処理されていないと、目に見えない“すき間風”が発生してしまいます。
シート同士の重ね幅や、角・端部のテープ処理を細かくチェックしながら、「手を抜かず、仕上げまで丁寧に」が鉄則です。
—コンセントやスイッチが取り付く場合は、気密シートをカットして取り付けます。取り付けた後の気密処理をしっかりしないと気密性能は落ちてしまいます。特に要注意の箇所です。
気密性能は、設計図だけでは決まりません。
設計と現場の連携がしっかりとれてこそ、数値として「高気密」が実現できるんです。
私たちの事務所では、C値の目標を設けたうえで、気密測定の立ち会いや現場の指導も含めて、安心できる高性能な住まいづくりをサポートしています。
日射取得と日射遮蔽の考え方
冬は太陽の熱を取り込む
冬の寒さが厳しい時期、太陽の光はとてもありがたい存在ですよね。
実は、冬の太陽は夏に比べて低い角度から家の中に差し込んでくるため、上手に設計すれば、暖房に頼らなくてもポカポカとした快適さを得ることができます。
特に効果的なのが、南向きの大きな窓を設ける設計です。
リビングなどの日当たりの良い場所に大きな掃き出し窓を設けて、そこからたっぷりと太陽の熱（＝日射熱）を取り込むことで、部屋全体が自然と暖まります。
さらにもうひと工夫。床材に蓄熱性のある素材（例えばコンクリート＋無垢材、厚みのあるタイルなど）を使うと、日中に受けた太陽の熱を床がじんわり蓄えてくれるんです。
夕方になって日差しが弱まっても、床からほんのりと暖かさが伝わってきて、冷え込みにくい空間になります。
こうした「冬の陽ざしを上手に取り入れる設計」は、パッシブデザイン（自然の力を活かす設計）の基本。
エネルギーを使わずに快適さを得られるので、光熱費の節約にもつながります。
夏は日射を遮って室温上昇を防ぐ
一方で、夏になると話はまったく逆です。
真夏の強い日差しが窓から容赦なく入ってくると、室内の温度は一気に上昇してしまいます。
「日射遮蔽（しゃへい）」とは、その太陽の熱を家の中に入れない工夫のこと。
特に重要なのが、南・東・西向きの窓から入ってくる直射日光をどうコントロールするかです。
そのために有効なのが以下のような方法です：
- 軒（のき）や庇（ひさし）を設ける
→ 夏は太陽の角度が高いため、深めの軒があると自然に日差しをカットできます。
→ 冬の低い日差しは奥まで届くので、冬と夏で軒の出のバランスを検討します。 - ルーバーや縦格子を使う
→ 視線を遮りながら、風は通して日差しだけをカットできます。 - 落葉樹を植える
→ 夏は葉が茂って日陰をつくり、冬は落葉して光を通してくれる自然の遮蔽システムです。
こうした工夫を組み合わせることで、エアコンの効きが良くなり、省エネで快適な夏の暮らしが実現できます。
Low-Eガラスや外付けブラインドの活用
窓の「ガラス選び」も、日射取得や遮蔽に大きく関係しています。
最近の住宅でよく使われているのが「Low-E（ローイー）複層ガラス」。
これは、ガラスの内側に金属の膜をコーティングすることで、熱の出入りをコントロールできる特殊なガラスです。
Low-Eガラスには大きく分けて2種類あります：
- 日射取得型（暖かさを取り込む）
→ 冬の日差しを取り入れて、室内を効率よく暖めるのに向いています。
→ 南向きの窓に使うと効果的。 - 日射遮蔽型（日差しをカットする）
→ 夏の強い日差しをカットし、室温の上昇を防ぎます。
→ 東・西向きの窓や日射が厳しい地域におすすめ。
また、日射を遮るには、窓の「外側」で遮るのが最も効果的です。
たとえば：
- 外付けブラインド（外から動かせるシャッターのようなもの）
- 可動ルーバー
- すだれやオーニング
こうしたアイテムは、太陽の熱そのものを室内に入れないため、冷房効率がぐっと上がります。
カーテンなど室内側の遮蔽は、光は遮れても熱はすでに中に入っているので、「暑さ対策」としてはやや弱いんです。
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このように、冬は日差しを取り込み、夏は日差しを遮るという真逆の考え方を上手に使い分けることで、季節ごとに快適な住まいが自然に実現できます。
設計の段階からしっかり日射の動きを読み取って、窓の位置・軒の深さ・ガラスの種類・外構の植栽までトータルで考えることがポイントです。
Low-Eガラスについて詳しくは「Low-Eガラスの選び方で失敗しない｜遮熱型・取得型の違いと暮らしへの影響」をご覧ください。
性能だけでは足りない？設計で工夫したいポイント
高断熱・高気密の住宅は、外気の影響を受けにくく、エネルギー効率もよい暮らしが実現できます。
でも実は、性能だけに頼ってしまうと、「あれ、なんか息苦しい」「思ったより快適じゃない？」と感じることも。
その理由は、風の通り方や、間取りのつながり、熱の流れ方など、設計の工夫が足りていないことが多いからです。
ここでは、断熱・気密という「性能の土台」の上に、より快適で省エネな暮らしをつくるために取り入れたい設計的な工夫を3つの視点からご紹介します。
通風と換気のバランスを取る
高気密の家では「すき間」がほとんどない分、風通しが悪くなるのでは？と不安に感じる方も多いと思います。
確かに、ただ建てるだけでは自然な風が通りにくくなることもあります。
しかし、設計段階で「風の通り道」をしっかり考えておくことで、心地よい通風を実現することは可能です。
たとえば…
- 南北に抜ける窓を設けて、風の通り道を確保する
- 上下階に高さの違う窓を設けて、重力換気（暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ）を利用する
- 雨の日でも開けられるよう、軒や袖壁で窓を守る
こうした工夫を取り入れることで、「窓を開ければ気持ちよく風が通る家」になります。
さらに、24時間換気システムもきちんと機能するよう、吸気口と排気口の配置バランスを意識することが重要です。
空気の流れを読む設計は、見た目以上に快適性に直結する部分なんです。
間取りやゾーニングの工夫で熱を逃がさない
高性能な住宅において、「部屋をどう配置するか（ゾーニング）」はとても重要なテーマです。
同じ断熱性能でも、間取りの工夫ひとつで室温のムラや熱損失が大きく変わってくるからです。
たとえば…
- リビングの暖気を脱衣室やトイレにも届けられるような動線や開口部の工夫
- 廊下をつくらずに空間をゆるやかにつなげて、空気の流れが分断されないようにする
- ドアの位置や開閉の方向を工夫して、冷気のたまり場をつくらない
このような“つながりのある間取り”にすることで、冷暖房が効率よく行き渡り、限られたエネルギーで快適な環境が保たれる家になります。
反対に、部屋を細かく仕切りすぎると、空気の循環が止まってしまい、冷暖房のムラや光熱費のムダが増えることも。
暮らし方に合わせつつ、「熱の逃げ道をできるだけつくらない」ように設計することがポイントです。
設備に頼らず快適に暮らす設計アイデア
「できればエアコンに頼らず、自然に快適な暮らしがしたい」
そう考える方には、建物の形や空間のつかい方で温熱環境を整える工夫がおすすめです。
たとえば…
床下エアコン・小屋裏エアコンの活用
床下や天井裏に設置したエアコンを使って、家全体にやさしく暖気・冷気を巡らせる方法です。
空調機器は最小限に、でも家全体をほぼ均一な温度に保つことができます。
ポイントは、断熱・気密性能が高いことが前提ということ。
そうでないと、せっかく送った空気があちこちから逃げてしまい、効果が半減してしまいます。
床下エアコンについて詳しくは「床下エアコンとは？仕組み・メリット・注意点をわかりやすく解説」をご覧ください。
吹き抜けやスキップフロアで空気を循環
リビングに吹き抜けを設けると、上下階の温度差を活かして空気が自然に動く仕組みがつくれます。
また、サーキュレーターやファンを組み合わせれば、冷暖房のムラが少ない、心地よい空気の流れが生まれます。
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こうしたアイデアは、見た目のデザイン性と合わせて、住まい全体の“温熱環境”に働きかける設計上の工夫です。
「高性能な家」を「本当に快適な家」に仕上げるには、数値に表れない工夫＝設計力の出番がたくさんあります。
私たち設計者の腕の見せどころでもあり、住まい手の「こう暮らしたい」に応えるために、最も大切にしている部分です。
まとめ｜断熱・気密・日射のバランスで快適な家をつくる
ここまでご紹介してきたように、「夏は涼しく、冬は暖かい家」を実現するためには、
断熱・気密・日射のコントロールという3つの視点が欠かせません。
どれか一つだけを強化しても、快適な住まいにはなりません。
逆に、これらをバランスよく設計に取り入れることで、冷暖房に頼りすぎず、自然に心地よい暮らしが叶います。
とはいえ、単純に「UA値が低ければOK」「気密性が高ければ安心」というわけでもありません。
それぞれのご家族に合った暮らし方、敷地の方角や周辺環境、将来のライフスタイルまでを見据えながら、本当に意味のある性能と快適性を両立する設計が大切です。
私たちの事務所では、
- 数値だけにとらわれず、現場や暮らしのリアルに寄り添うこと
- 設備に頼りすぎず、自然の力を活かして快適性を高めること
- ご家族の想いや生活スタイルに合わせて、一邸一邸ていねいに設計すること
を大切にしています。
「高断熱・高気密って難しそう…」「自分たちの暮らしに合う家づくりってどう考えたらいいの？」と感じた方も、
どうぞお気軽にご相談ください。
“夏も冬も心地よい、安心してずっと暮らせる住まい”を、一緒につくっていきましょう。
家づくりのご相談、お気軽にどうぞ
断熱や気密、日射の工夫など――
家の性能について気になることがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。
「自分たちの暮らしに合った断熱って？」「この土地でも快適な家になる？」など、
どんな小さな疑問でも大歓迎です。
足立和太建築設計室では、愛知県を中心に、
“夏涼しく冬暖かい、暮らしやすい住まい”をていねいに設計しています。
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