中古住宅のリノベーションで後悔しないために|費用と性能の両立は本当にできる?

「せっかく家を買うなら、自分たちらしい住まいにしたい。でも、新築は予算的にちょっと厳しい…」
建築コストがどんどん上昇する昨今、

最近は、中古住宅を買ってリノベーションするという選択肢を選ぶ人が増えています。
立地が良くて価格も手頃な中古物件を購入し、間取りや内装を自分好みに変えていくことで、理想の住まいをつくれるのが魅力です。
「新築より安くて、しかもおしゃれにできる!」というイメージから、特に若いご夫婦や子育て世帯に人気があるようです。

でも実際には、
「思ったよりリノベ費用がかさんで予算オーバーに…」
「断熱や耐震ってどうすればいいの?」
「住宅ローンって中古でもちゃんと組めるの?」
など、あとから困るポイントもたくさんあるのが現実です。

このコラムでは、建築士の視点から「中古住宅×リノベーション」の魅力と落とし穴をしっかり解説しながら、

  • 費用と性能をバランスよく両立させるコツ
  • 住宅ローンや補助金の仕組み
  • 物件選びの注意点とリノベの進め方

など、これから検討する方に役立つ情報をわかりやすくご紹介します。

目次

中古住宅×リノベーションの魅力と人気の理由

新築よりも費用を抑えられる

家づくりを考えるとき、「できるだけ予算は抑えたいけど、妥協したくない」というのが本音ではないでしょうか?
そんなときに注目されているのが、中古住宅を購入して、自分たちのライフスタイルに合わせてリノベーションする方法です。

中古住宅は、同じエリア・広さでも新築よりも2〜4割ほど安い価格で手に入ることが多く、その分の予算を断熱や耐震補強、内装デザインなどの“中身”にしっかりかけられるのが大きなメリットです。

たとえば、築30年の木造住宅を1,200万円で購入し、さらに1,000万円ほどかけてリノベーションすることで、
– 断熱性能を高めて夏も冬も快適な空間に
– 間取りを変えて家事動線をスムーズに
– 自然素材を使った落ち着きある内装に
といったように、快適さと個性を両立した住まいが実現できます。

「ただ安い」だけでなく、「自分たちらしさ」と「性能」を同時に手に入れられるのが、中古リノベの魅力です。


好立地や広さに手が届きやすい

新築で家を建てようとすると、まずネックになるのが「土地」。
特に都市部や駅の近くなど、人気のあるエリアでは土地価格が高騰していて、予算内では希望する広さや場所が難しい…ということも少なくありません。

でも、中古住宅なら話は別です。
すでに建物が建っている分、相場よりも割安で売り出されている物件が見つかることもあります。
たとえば、「駅まで徒歩10分」「小学校まで5分」「実家の近く」など、立地にこだわりたい人にとっては大きなメリットです。

また、中古住宅は敷地面積が広めだったり、昔ながらのゆとりある建物も多く、
「庭がある暮らしがしたい」「子ども部屋をしっかり確保したい」といった希望も叶えやすくなります。

「この場所に住みたい」という思いを叶えつつ、リノベーションで暮らしやすさも手に入る。
それが、中古住宅を選ぶ大きな理由の一つです。


自由な間取り・デザインが可能

「せっかく家をつくるなら、間取りも素材もとことんこだわりたい!」
そんな方にも、中古リノベはおすすめです。

リノベーションでは、壁を取り払って開放的なLDKにしたり、水まわりの位置を変更して使いやすくしたりと、既存の間取りに縛られず、自由な設計がしやすいのが特徴です。

さらに、床に無垢のフローリングを使ったり、壁に漆喰や珪藻土を塗ったりと、自然素材を活かしたやさしい空間づくりも可能です。
新築だとコストがかかってしまうような吹き抜けやスキップフロア、造作家具なども、リノベなら既存構造を活かして上手に取り入れることで、コストを抑えながら実現できる場合があります。

また、「中古住宅」と聞くと「古臭い」というイメージがあるかもしれませんが、
間取りや素材を自分好みに変えることで、新築と見間違えるような洗練された空間に生まれ変わることも可能です。

自分たちの暮らしにフィットする家を、自分たちの感性でつくる——
それが、中古リノベの最大の魅力かもしれません。

失敗しがちなポイントと注意点

購入後に見つかる「隠れた劣化」や修繕リスク

中古住宅には、「安く買って、好きなように直せばいい」と気軽に考えがちですが、注意したいのは“見えない部分”のリスクです。

たとえば、外観や内装はそれほど古く見えなくても、
– 柱や梁が腐食していた
– 基礎にひび割れがあった
– 床下にシロアリ被害が見つかった
…といったケースは、実は少なくありません。

こうした劣化は、住み始めてから気づくことも多く、追加の修繕費が想定以上にかかってしまう原因になります。
最悪の場合、「このままでは住めないので、先に補強工事が必要」ということも…。

そうならないためにも、物件を購入する前に、専門家による住宅診断(インスペクション)を受けるのがおすすめです。
目に見えない劣化や問題点をチェックすることで、「買ってから後悔」を防ぐことができます。

「ちょっと費用はかかっても、将来の安心のため」と思って、早めのチェックをぜひ検討してみてください。


古い住宅は断熱・耐震性能が不足しているケースも

築年数が古い住宅ほど注意したいのが、「見た目以上に性能が低い」可能性です。

たとえば、1981年以前に建てられた住宅は、旧耐震基準で設計されている場合が多く、
今の地震に対する安全性から見ると、倒壊リスクが高いこともあります。
また、昭和や平成初期の住宅では、断熱材が入っていなかったり、気密性がとても低かったりして、
「冬は底冷えして寒い」「夏はエアコンが効かない」という状態になりがちです。

このような性能不足を補うには、
– 壁や床、天井に断熱材をしっかり入れる
– サッシを二重窓やLow-Eガラスに変える
– 耐力壁や金物で構造補強を行う
などのリノベーションが必要になります。

当然ながら、こうした性能向上にはある程度の予算と計画が必要です。
「見た目が良ければ大丈夫」と思わずに、長く快適に暮らすための基本性能をしっかり整えることを意識しましょう。


工事の内容によっては思ったより費用がかさむ

「最初は、キッチンを新しくして壁を塗り替えるくらいで大丈夫と思ってたんです」
という方が、実際にリノベを始めてみると…

– 配管の位置が古くて全取り替えに
– 壁を壊してみたら構造的な補強が必要に
– 床下に湿気が多く、防湿対策が必要になった

…といったように、追加費用がどんどん発生することがよくあります

とくに古い住宅では、「開けてみないと分からない」という部分も多いため、最初の見積もりと最終的な工事費が大きく違ってしまうことも。

こうしたリスクを減らすためには、

  • 信頼できる設計者や施工者とタッグを組むこと
  • 「工事前に建物の状態をしっかり確認してもらうこと」
  • 「余裕をもった予算組み(+10〜20%)」をしておくこと

がとても大切です。

事前にしっかりとしたプランを立てておけば、「こんなはずじゃなかった…」という後悔を防ぐことができます


このように、中古住宅のリノベーションには魅力もたくさんありますが、注意すべきポイントも多く存在します。
でも、事前にこうしたことを知っておくだけでも、落とし穴を避けて、安心して理想の住まいづくりを進めることができますよ。

中古リノベに使える住宅ローンの基礎知識

「物件+リノベ費用」をまとめて借りられるローンとは?

中古住宅のリノベーションを考えるときに、意外と多くの方が戸惑うのが「住宅ローンってどうやって組めばいいの?」というお金の問題です。

実は、通常の住宅ローンでは「中古物件の購入費」しか対象にならないことが多く、
リノベーション工事費は別でリフォームローンを組む…となると、
– 金利が高い
– 借入限度額が低い
– 審査が厳しい
など、なかなか思うようにいかないことも。

しかし、最近では「物件購入費」と「リノベ費用」をまとめて借りられる住宅ローンがいくつか用意されています。

代表的なものがこちら:

  • リフォーム一体型住宅ローン(民間銀行)
     → 住宅ローンの一部として、工事費も含めて借入が可能
     → リノベの内容や物件によっては、金利優遇が受けられる場合も
  • フラット35(リノベ)
     → 一定の性能向上(断熱・耐震など)を伴うリノベなら対象
     → 金利が当初5年〜10年間引き下げになる場合あり

特に「性能向上リノベーション」を検討している方には、こうした制度を活用することで、安心してまとまった資金を確保できるようになります。

ポイントは、「物件探し」と「ローン相談」を並行して進めること。
できれば、早い段階で設計者や金融機関と相談しながら、無理のない資金計画を立てておくのがおすすめです。


どんな物件がローン審査に通りやすい?

実は住宅ローンの審査は、「人の信用」だけじゃなく、物件を担保とするため、物件そのものの状態も、基準にあっているかどうかのチェックを受けます。

特に中古住宅では、次のようなポイントがよく見られます:

  • 築年数(古すぎると審査が厳しいことも)
  • 構造(木造かRC造か、耐震性はどうか)
  • 建物の状態(雨漏りやシロアリなどの劣化がないか)
  • 住宅ローン適合証明の有無(フラット35などで必要)

つまり、「リノベーションの価値がある安全な家かどうか」が問われるわけですね。

とくに築古の住宅では、「リノベで耐震補強を計画しています」といった改修の方向性がしっかりしていれば審査が通りやすくなるケースもあります。

そのためには、物件を買う前から、設計士や工務店と一緒に現地を見に行くことが大事です。
「この物件、本当にリノベに向いてる?」
「あとから補強できる構造になってる?」
そんなことをプロの目で判断してもらうことで、無駄な時間やお金をかけずにすみます。

ローンの相談は、物件が決まってから…ではなく、物件を探しながら資金計画も同時に進めるのが成功のコツです。


リノベーション費用に使える補助金・減税制度もチェック

「少しでも予算を抑えたい」という方は、ぜひ補助金や減税制度の活用も検討してみてください。

リノベーションは、「性能向上」「省エネ」「バリアフリー」などの要素が含まれる場合、国や自治体からの支援が受けられるケースがあります。

代表的な制度にはこんなものがあります:

  • こどもエコすまい支援事業
     → 高断熱サッシや高効率設備の導入などで補助対象に(※2025年度は予算終了に注意)
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
     → 耐震・断熱・劣化対策などをトータルで行うリノベに対して、最大250万円までの補助が出る制度
     → 設計内容・性能要件を満たす必要あり
  • 各自治体の耐震補強補助金
     → 築年数の古い木造住宅に対し、耐震診断や補強工事費用の一部を自治体が負担する制度(市町村によって内容は異なります)

また、工事の内容によっては住宅ローン控除(減税)も利用できます。

ただし、これらの補助金は「工事前の申請」が必須のものが多く、申請タイミングや条件を知らずに進めると、せっかくの制度が使えなくなることもあります。

だからこそ、設計者やリノベーションの専門家と早めに相談し、
「自分たちのプランならどの制度が使えるのか?」を把握しておくのが大切です。


このように、住宅ローンや補助金は、ちょっと複雑そうに見えますが、うまく活用すればリノベの大きな味方になります。
「知らずに損した…」とならないよう、気になった時点でプロに相談するのが成功への近道ですよ。

費用と性能を両立させるための3つのポイント

「限られた予算の中でも、ちゃんと性能の高い家にしたい!」
これは中古リノベを考えるすべての方に共通する願いではないでしょうか。

ここでは、コストを抑えながら、しっかりと快適で安心な住まいを実現するための3つの考え方をご紹介します。


物件選びの段階で「性能向上の余地」を見極める

リノベーションを成功させるためには、最初の“物件選び”がとても重要です。
なぜなら、「あとから性能を上げよう」と思っても、もともとの建物の状態によっては大がかりな補強工事が必要になってしまうこともあるからです。

たとえば、こんなポイントをチェックしてみましょう:

  • 基礎や柱・梁にひび割れや腐食がないか
     → 構造体がしっかりしていれば、大規模な補強工事の必要が減ります
  • 配管や電気配線の経路が分かりやすく、更新しやすい構造か
     → メンテナンス性が高く、設備の入れ替えコストを抑えられます
  • 天井裏や床下などにスペースがあり、断熱材の施工がしやすいか
     → 高性能化の余地があるかどうかがポイント

このように「性能向上がしやすい家かどうか」を見極めることで、余計な工事を減らし、費用の無駄をなくすことができます。

そしてこの判断は、専門家と一緒に見ないと難しい部分もあります。
だからこそ、物件を選ぶ前の段階から建築士やリノベ経験のある施工者に相談することをおすすめします。


断熱・気密・耐震を意識した設計と仕様の選定

中古リノベでは、「どこにお金をかけるか?」という判断がとても大切です。
そこでおすすめしたいのが、「まずは基本性能に予算を集中する」という考え方。

特に大事なのは、次の3つの要素:

① 断熱

夏は涼しく、冬は暖かい家にするためには、壁・天井・床にしっかり断熱材を入れることが欠かせません。
高性能グラスウールや吹付ウレタンなど、性能の良い素材を選ぶことで、光熱費もぐっと下がります。

② 気密

せっかく断熱しても、隙間だらけでは意味がありません。
窓まわりや配管まわりのスキマをしっかり塞ぐことで、快適さと省エネ性能がアップします。

③ 耐震

地震の多い日本では、「いざというときに家族を守れる構造」であることがとても大切です。
築古住宅でも、耐力壁の追加や金物補強を行えば、今の基準に近づけることができます。

これらの改修は、見た目の変化が少ないので後回しにされがちですが、
住み心地の良さ・安心感・光熱費の安さといった“住んでからの満足度”を大きく左右します。

だからこそ、「キッチンを最新に変える」「おしゃれな内装にしたい」という気持ちも分かりますが、まずは土台づくりにしっかり予算をかけることをおすすめします。


性能向上リノベーション向けの補助金を活用する

「高性能リノベって魅力だけど、やっぱりお金が心配…」という方も多いのではないでしょうか?

そんなときに頼りになるのが、補助金制度です。
うまく活用すれば、数十万円〜場合によっては100万円以上の支援が受けられることもあります。

たとえば代表的なのが、

▷ 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省)

断熱・耐震・劣化対策など、トータルに性能を向上させるリフォームに対して、最大210万円ほどの補助が受けられる制度です。
条件に合えば、「補助金+住宅ローンの金利優遇」も組み合わせられる場合も。

▷ 各自治体の制度も見逃せない

例えば、市町村によっては「耐震補強工事に最大100万円の助成」など、地元ならではの支援制度もあります。

ただし、補助金の多くは「着工前の申請が必須」です。
「申請が間に合わず、補助金が使えなかった…」という声も実際に多く聞きます。

だからこそ、補助金の活用を考えている方は、リノベの計画段階から設計士や施工会社に相談しておくことが大切です。
書類作成や申請のサポートをしてくれる会社も多いので、気になる方は遠慮なく聞いてみましょう。


この3つのポイントを意識するだけでも、「予算オーバーせずに、快適で性能の高い住まい」を実現できる可能性がぐっと高まります


リノベーション|予算内で快適な住まいに

「リノベーションって、新築より安いって聞くけど、結局いくらかかるの?」
「途中で費用がふくらんで、予算オーバーになったらどうしよう…」

こんなふうに、中古住宅のリノベーションに興味はあるけれど、費用のことで不安を感じている方も多いと思います。

でも実は、リノベーションはやり方次第で、しっかり予算内に収めながら、“快適で、自分たちらしい住まい”を手に入れることができるんです。

もちろん、魔法のように何でも叶うというわけではありません。
でも、ちゃんとポイントをおさえて進めれば、性能もデザインも妥協しないリノベーションは十分に可能です。

予算内で快適な住まいをつくるための3つのコツ

中古リノベを成功させるには、次のようなポイントを意識しておくことが大切です。


① 物件選びの段階で、“性能向上のしやすさ”を見極めること

例えば、築年数が古くても、構造がしっかりしていてシロアリの被害がない家なら、
耐震補強や断熱工事がしやすく、余計な補修費を抑えられる可能性が高まります。

一方で、「安いから」と飛びついた物件が、後から大規模な補強が必要になると、結果的に高くついてしまうことも。

だからこそ、購入前に建築士や施工のプロに相談し、「この家、本当に直す価値がある?」という視点で物件をチェックしてもらうことがとても重要です。


② お金をかける優先順位を決めて、設計・仕様を選ぶこと

限られた予算の中で、すべてにお金をかけるのは難しいもの。
だからこそ、“まずどこを快適にしたいか” “どこに安心感がほしいか”を明確にすることがカギになります。

たとえば、

  • 夏暑く冬寒い家に悩んでいたなら、断熱・気密にしっかりコストを割く
  • 地震が心配なら、耐震補強を最優先に
  • 小さなお子さんがいるなら、安全性や空気環境に配慮した自然素材を選ぶ

このように、「見た目」よりもまず「住み心地・安心・健康」を軸に仕様を決めていくことで、満足度の高いリノベーションが実現しやすくなります。


③ ローンや補助金などの制度を賢く使うこと

最近では“リノベーションを前提とした住宅ローン”や、
国や自治体が用意している
性能向上リフォーム向けの補助金など、使える制度が増えています。

たとえば、一定の断熱や耐震性能を満たせば補助金が受けられたり、
フラット35(リノベ)などで金利の優遇が受けられることもあります。

こういった制度を上手に活用することで、自己負担を抑えながら、ワンランク上の性能を目指すことも可能になるんです。


中古リノベで「自分たちらしい住まい」を

たとえば、築30年の中古戸建てを1,500万円で購入し、1,000万円で断熱・耐震・内装をしっかり改修した場合、
合計2,500万円で、新築以上に快適な家が手に入ることも珍しくありません。

さらに、自分たちのライフスタイルに合わせた間取りや素材を選べることで、
「見た目はまるで注文住宅」「住み心地はまるで高性能住宅」といった家づくりも可能です。

もちろん、行き当たりばったりでは上手くいきません。
でも、信頼できる設計者や施工会社としっかり相談しながら進めれば、
予算内で、“あたたかくて、安心で、ちょっと心が豊かになるような家”を手に入れることができます。


「限られた予算だけど、妥協したくない」
「おしゃれさだけじゃなく、ちゃんと快適で長く住める家がいい」
そんな思いがあるなら、中古リノベも選択肢に検討してみてください。

後悔しないための進め方|物件選びから設計相談まで

中古住宅のリノベーションを成功させるためには、「どの家を買うか」だけでなく、「どうやって進めるか」もとても重要なポイントです。
せっかく理想の住まいを目指すなら、あとから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないように、早い段階から正しい順序で進めていくことが大切です。

ここでは、中古リノベで失敗しないための基本的な進め方を、3つのステップに分けてご紹介します。


中古住宅購入の前に設計者に相談するメリット

「まずは不動産屋さんに行って、良さそうな中古物件を見つけてから考えよう」
と思っていませんか?実はその順番、少しもったいないかもしれません。

中古住宅をリノベーションする場合、「どんな家でも思い通りに直せる」わけではありません。
構造や間取り、劣化の具合によっては、大幅なリノベーションが難しいこともあるからです。

そこでおすすめしたいのが、物件探しの前から設計者(建築士)に相談すること。

建築のプロの目で見れば、

  • 「この物件は、断熱や耐震の強化がしやすいか?」
  • 「間取りを変える余地があるか?」
  • 「直すより、買い替えたほうがいいレベルか?」

といった判断を、冷静かつ的確にしてもらえます。

また、不動産会社の紹介物件だけに頼らず、“設計の視点で見る”物件選びができると、「直せる家・暮らせる家」に出会いやすくなります。


インスペクション(住宅診断)を活用する

中古住宅は、見た目がきれいでも中身に問題がある場合があります。
たとえば、シロアリの被害、構造体の劣化、雨漏りの痕跡などは、ぱっと見ただけではなかなか分かりません。

そこで活用したいのが、インスペクション(住宅診断)です。

これは、第三者の専門家が建物の状態を調査・診断してくれるもので、

  • 構造的に安全かどうか
  • 水まわりや配管に劣化がないか
  • 修繕が必要な箇所がどこか

といった情報を客観的に知ることができます。

インスペクションの結果は、補助金の申請住宅ローンの審査にも有利に働くケースがあります。
なにより、「あとから大きな補修が必要になったらどうしよう…」という不安を軽くしてくれます。

物件の価格や外観だけで決めずに、「安心して直せる家かどうか」をプロと一緒に確認しておくことが、リノベ成功の第一歩です。


設計・見積もり・工事スケジュールの流れと注意点

中古リノベは、新築とはちがって、「物件の状態」「工事の内容」「使える予算」によって進め方が大きく変わります。
そこで、あらかじめ全体の流れを理解しておくことで、スムーズに計画を立てることができます。

おおまかな流れは以下のとおりです:


■ Step 1:物件探し(設計者と並行して進める)

気になるエリア・価格帯の物件を探しながら、建築士と一緒に「これは直せる物件か?」を検討。

■ Step 2:インスペクションを実施

購入を前提にした候補物件が決まったら、住宅診断を行い、修繕の必要性や工事範囲をチェック。

■ Step 3:プランと概算見積もりを作成

「どこをどう直すか?」のプランを練りながら、全体の費用感を確認。ここで、ローンや補助金の目安も検討。

■ Step 4:物件購入契約・住宅ローンの申し込み

工事内容と資金計画に納得できたら、物件購入へ進みます。必要に応じて、ローン申し込みや補助金申請も。

■ Step 5:実施設計と工事契約

間取りや仕様の詳細を詰めて、正式な図面と工事内容を確定。施工会社と契約を結びます。

■ Step 6:工事着工〜完成(2〜4ヶ月が目安)

建物の状態や工事内容によって工期は変わります。住み始める時期から逆算してスケジュールを組むのがポイントです。


また、途中で「やっぱりキッチンも変えたい」など、プラン変更が入ると予算や工期にズレが生じやすくなります。
あらかじめ「これだけは絶対に叶えたい!」という優先順位を整理しておくことが、満足度の高いリノベーションへの近道です。


中古住宅リノベは、自由度が高いぶん、進め方や判断によって仕上がりが大きく変わります。
だからこそ、最初の一歩を“設計の視点”でスタートすることが、後悔しないリノベーションの秘訣です。

「物件を買ってから考える」のではなく、
「理想の住まいをつくるために、どんな物件を買うべきか」から一緒に考えていきましょう。


まとめ|中古リノベ成功の鍵は「選ぶ力」と「信頼できる相談先」

中古住宅のリノベーションは、うまく活用すれば新築よりコストを抑えつつ、快適で自分たちらしい住まいを実現できる選択肢です。

「立地がいいのに手が届く価格」
「内装や間取りを自分好みに変えられる」
「断熱・耐震性能もアップできる」
──こんな魅力が詰まっているからこそ、近年ますます人気が高まっています。

でもその一方で、「安く買って好きなように直せばいいでしょ」と勢いだけで進めてしまうと、
あとから「予想外にお金がかかった」「直したのに快適じゃない…」といった後悔につながることもあります。

中古リノベを成功させるためのポイントは、以下の3つに集約されます。


性能向上を前提とした物件選び

見た目や価格だけで選ばず、「この家は断熱・耐震の改善がしやすいか?」という視点を持つことが大切です。
構造の状態やリノベしやすい間取りかどうかなど、“直す価値があるか”を見極める目が必要です。


信頼できる設計者・施工者との連携

「どう直すか」「どこにお金をかけるべきか」は、プロの力を借りてこそ見えてくるもの。
自分たちの希望を汲み取りつつ、性能・コスト・デザインのバランスを考えてくれるパートナー選びが、リノベの満足度を左右します。


補助金や住宅ローン制度の正しい理解と活用

リノベ費用は住宅ローンでまとめて借りられる?
補助金を使えば自己負担はどれくらい減る?
──そうした制度面の知識を持っておくことで、より現実的で、賢い資金計画が立てられるようになります。


リノベーションで「後悔しない家づくり」を実現するには、情報収集と、信頼できる専門家への早めの相談が何よりの近道です。

ネットの情報だけではわからない、物件の見極め方や設計の考え方、資金計画の立て方など──
プロと一緒に進めることで、リノベーションの可能性がグッと広がります。

「まだ具体的じゃないけど、話だけでも聞いてみたいな」
そんな気持ちの段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
“私たちらしい暮らし”を叶える第一歩を、一緒に探していきましょう。


もし「中古住宅のリノベーションって具体的にどう進めたらいいか分からない…」という方や、
「自分たちに合った物件選びのポイントをもっと知りたい!」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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