良い図面と悪い図面
僕たち建築士の最も重要な仕事の一つに図面を書くことが挙げられます。
クライアントと、いろいろ打ち合わせしたことを図面に表現するわけですね。
安藤忠雄さんもおっしゃっていますが、図面とは設計者の言葉なのです。
饒舌なヒトもいれば、寡黙なヒトもいますが、図面に関していえば、饒舌とはいかないまでも、わかりやすいことが求められると思います。
なぜなら、図面を書く設計者は、造ろうとする建築がすでに自分の頭の中にありますが、施工者は図面だけが頼りです。
ですから、施工する方が間違えないように、あるいは間違わせないようにわかりやすく表現する必要があるわけですね。
また、設計者にしてみれば、僕はこうしたいんだということをしっかり喋りたいわけです。
そこで、手を変え品を変えいろんな表現をして、「僕はこうしたいの、わかってね」となるわけです。
ブログでも書きましたが、安藤さんの図面はその表現の最たるもので、1枚の図面に平面図、断面図、詳細図、パースまで表現されています。
本当に饒舌な方で、すごいです。
では良い図面の条件とはなんでしょうか。
いろんな意見があるかと思いますが、ぼくが思うのは
1)寸法がキチッと書かれている
2)建物の構成・成り立ちが理解しやすくまとめられていて、明確に表現されている
3)基本的な考え方が首尾一貫している
4)ややこしい部分を逃げないで、キチッと表現している
5)設備のとの関連も検討され、食い違いが少ない(食い違い無しは、残念ながらほとんど不可能だと思います)
6)図面自身の構成が美しい
こうした図面がかければ、設計者の思いも施工者に伝わるかと思います。
施工する方達も、みなさん建築が好きですから、良い図面を書けば、一生懸命に造ってくれます。
逆に悪い図面は、考え方がよくわからず、食い違いが多く、寸法がはっきりせず、そしてどうなっているのか仕組みがよくわからない図面です。
これでは施工者のやる気も無くなってしまいますね。
そして、設計者の思いが入っていない図面はひと目見てわかります。
なんか薄っぺらなんですね。
何も伝わってこない。
さー、僕も良い図面がかけるように精進しなくては。