何事も「課題」の質が大切

建築倉庫ミュージアムより掲載
先日、たまたまYouTubeで、有名な構造設計者の金箱温春さんのお話を聞きました。
そこで面白いことをおっしゃっていました。
時代の先端を走っている建築家は、様々なデザインをします。
そこで構造設計者はそのデザインを力学的に成り立つように、構造システムを考えるわけです。
この構造システムを考えるということは、つまり、構造解析の問題を考えるといことだそうです。
そこで、
「問題を解くと、必ず答えは出てしまう。しかしどういう問題を作るかということが重要で、これが構造デザインである。
この問題を上手に作らないと、スマートな答えは出てこない。」
と、いうことでした。
なるほどなと納得しましたが、考えて見れば、構造に限らず、様々な職種においても仕事を進める上で、この「問題」あるいは「課題」は必ず出てきます。
安宅和人さんが「イシューからはじめよ」という本の中で、同じようなことを書かれています。
生産性の高い仕事をするには、
「何に答えを出す必要があるのか」という議論からはじめて、「そのためには何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析をする。
その上で、イシュー(問題、課題)を見極めることが大切であると。
質の高い課題設定が、質の高いアウトプットをより効率的に出す、ということにつながるわけです。
恐らく、僕たちの建築の意匠設計においても、設計上の「課題」の設定が上手であれば、素晴らしいプランができるのでしょうね。
闇雲に取り組むのではなく、じっくり問題の本質を見極めことが大切なんですね。
肝に命じておこうっと。
参考までに金箱さんが構造設計された建築を添付しておきますね。
安藤忠雄さんの「十和田市教育プラザ」と隈研吾さんの「明治神宮ミュージアム」です。