先日、「建築と時間と妹島和世」という映画を観てきました。
妹島さんは女性の世界的建築家です。
同世代の建築家には、同じく世界的な建築家の隈研吾さんがいらっしゃいます。
妹島さんの手がけた建築で有名な建物としては、金沢の「金沢21世紀美術館」がありますが、
美術館建築では、一般の方にも広く知れ渡り、開かれた美術館としてとても有名ですね。
そんな妹島さんのドキュメンタリー映画が公開されるということで観てきた次第です。
大阪芸術大学の「アートサイエンス学科」の新校舎における計画から竣工までの3年半の記録です。
建物はこんな感じです。
美術手帖HPより
妹島さんらしく、曲面を多用した個性的な独特な建築です。
ナレーションは一切なく、妹島さんの解説のみという映画で、じっくり観ることができました。
計画段階の模型の検討から、その後いろいろ変遷して、徐々にまとまっていく過程、そして現場が始まり、竣工するまでを追ったドキュメンタリーです。
妹島さんがこの計画でテーマとしたことは、
1)建物がたつ丘に合わせて、周辺の環境と美しく調和すること
2)建物が開かれていること
3)内と外とが自然につながり、人々の交流の場となること
です。
模型の段階から、現場にいたるまで、常にこのコンセプトに建築が合致しているかを、確認していました。
普段、妹島さんのような有名な建築家は、どのように設計に取り組み、現場で何を見ているのか、そして何を話しているのかということにはとても興味があります。
今回の映画で、その一端が垣間見れ、建築に対するひたむきさに心打たれました。
そして、この「アートサイエンス学科」は、「芸術」「情報」「社会」の3領域を横断しながら、21世紀型の新たなクリエイターを育成することが目的だそうですが、この校舎はきっと、学ぶ学生に大きな刺激、影響を与えるんだろうなと思います。
こんな環境で勉強ができる学生さんはとても羨ましいですね。
さて、この映画ですが、映画の建築は最先端の建築ですが、上映しているのはこれまた、昭和を感じさせる、レトロな小さな映画館で、そのコントラストにも面白さを感じました。
この映画館は以前にも、北京オリンピックの「鳥の巣」と呼ばれた競技場を扱ったドキュメンタリーも上映していました。
今後もぜひこうした建築にまつわる映画を上映して欲しいものです。
いい映画を観せてもらいました。
いい刺激を受けたので、お仕事、がんばります。
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