49:土地の値段の調べ方

2024年11月1日

土地探しで一番気になるのは値段ではないでしょうか。

 

地価の相場は、地域のイメージや住環境水準などによって形成されます。

 

今回は、この土地の値段の調べ方について解説します。

 

 

 

地価を調べるには次の3通りの方法があります。

 

但し、地価はその土地の形状や地形、道路付けなどの個別の要因によって大きく変化します。この土地がズバリいくらとは言えませんが、あくまでも目安として推定する方法ということでご理解ください。

 

 

1)国交省から発表される公示価格を調べて、実勢価格を推定する

 

2)国税庁、市町村が決める路線価から実勢価格を推定する

 

3)国交省の不動産情報ライブラリーから土地取引価格を確認する

 

 

 

それでは、詳しく見ていきましょう。

 

 

 

■土地の値段の調べ方

 

 

 

 まずは聞きなれない用語の解説から 

 

 

不動産ではあまり聞きなれない用語が出てきます。

 

まずはその用語から解説します。

 

 

実勢価格

 

実勢価格とは、実際に売買取引されている相場水準の価格のことで、土地の時価です。今回のテーマの土地の値段とはまさにこの実勢価格のことを指します。

 

 

公示価格

 

公示価格とは、国交省が毎年発表する土地の価格指標の1つで、1月1日における標準地(国が指定した地点で全国で約26,000地点)の1㎡当たりの評価額を基に4月1日に公表されます。

公示価格は、土地の売買や賃貸契約、税金の算出などにおいて基準となるとても重要な指標です。

実際に取引されている土地の値段(実勢価格)はこの公示価格の1.1倍から1.2倍となっています。

 

 

路線価

 

路線価には、次の2種類あります。

 

1)相続税路線価:毎年国税庁が決定し、土地の相続税や、贈与税などの課税のために、都市部の道路(路線)ごとに決定した土地の評価額のことで、単に路線価といった場合はこの「相続税路線価」を指します。価格水準は公示地価の80%程度です。

 

2)固定資産税路線価:3年に1度市町村が決定し、固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税の課税のための評価額です。この価格水準は公示地価の70%程度です。

 

 

 

 公示価格から土地の値段を調べる 

 

 

公示価格は国交省のホームページから調べることができます。

 

該当する地域を入力すると、最寄りの標準地の公示価格の表示された下に示すような地図を見ることができます。

 

 

 

 

この地図では、標準地である名古屋昭和ー5の地区で公示価格が㎡あたり241,000円であることがわかります。

 

購入を検討している土地の近くの標準値の公示価格を見れば、おおよその検討が付きます。

 

そして公示価格側がわかれば、実勢価格はその1.1倍として241,000*1.1=265,100円となります。

 

もし敷地が100㎡であれば、その土地価格は265,100*100㎡=26,510,000円ということになります。

 

 

 

 路線価から土地の値段を調べる 

 

 

ここでは相続税路線価から試算してみます。

 

国税庁のホームページから相続税路線価を調べることができます。

 

該当する住所を入力すると、下図のような土地に接する道路の価格が出た地図が見れます。

 

公示価格と違い、路線価の場合は該当する敷地の道路の路線価を調べることができますので、確度も上がりますね。

 

 

 

 

 

例えばこの地図で「210E」という路線価は、1㎡当たりの路線価が210(千円)つまり、210,000円であることを示しています。

 

Eというアルファベットは、借地権割合を示すものですので、今回は無視します。

 

地図から路線価が210,000円であることがわかりました。これは道路の価格ですからこれから土地の価格を求めます。

 

まず補正率を確認します。

 

土地の形状や接道状況、用途地域などに応じて補正率が設定されています。

 

上図の地域では、「奥行距離35mに応ずる奥行価格補正率」が設定されていました。

 

その補正率は下表のようになります。

 

 

 

 

今回の敷地の奥行きが、もし9mで普通住宅地であれば、上表より補正率は0.97となります。

 

敷地面積が100㎡であったとすると、この土地の路線価評価額は

 

210,000円*0.97*100㎡=20,370,000円ということになります。

 

路線価は公示価格の80%ですから、上記金額を0.8で割り戻せばおおよその公示価格が出ます。

 

20,370,000/0.8=25,462,500円ということですね。

 

そして、実勢価格は公示価格の1.1倍ですから、

 

25,472,500*1.1倍=28,008,750円ということになります。

 

これで、路線価から実勢価格の算定ができました。

 

 

まとめますと路線価からの実勢価格の算定式は

 

路線評価額=(路線価*補正率*面積)÷0.8*1.1

 

ということになります。

 

 

 

 土地取引価格を確認する 

 

 

これまでは、公示価格と路線価から土地の実勢価格を算定してきました。

 

ここでは、今回の土地の近辺の実際の取る引きがどれくらいの価格で行われているかを調べて、確認をします。

 

国交省では不動産売買取引をされた方を対象に調査を行っています。

 

売買した土地の価格や条件を調査して、一般の方々に情報を公開しています。

 

 

国交省の不動産情報ライブラリーの「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ/データ検索」から検索できます。

 

調べたい地域を入力すると、下表のようにその近辺の実際の取引を見ることができます。(下表は表の一部です)

 

 

 

 

この表から、実際に取引された土地の価格がわかります。

 

このようにして、公示価格、路線価から実勢価格を推定し、実際の土地取引のデータと比較することで、より確かな土地の値段を想定することができるわけです。

 

 

 

 まとめ 

 

 

土地の値段は、「公示価格」、「路線価」から推定することができます。

 

あくまでも目安ですが、より確度を高めるために、国交省から公開されいている実際の近隣の土地取引データを見て、価格を確認することができます。

 

実勢価格、公示価格、路線価の価格の関係性は下図のようになります。

 

 

 

 

 

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