2024年7月17日

遅ればせながら「村上隆 もののけ京都」展をみてきました。

 

イヤー、すごかったです。

 

見ごたえがありました。

 

実は今年の2月から開催されていたのですが、村上ファンでありながらちょと行きそびれていました。

 

たまたまNHKで4月に放送された「夢見る”怪物”村上隆」の録画してあったのを思い出し、最近になって見てみたら、こりゃ絶対見に行くべきだと思い、あわてて京都まで行った次第です。

 

これだけの大掛かりな展示、そして新作ばかりとなれば見ておかなければ絶対後悔すると。。。。

 

今回の展覧会は「京都」をテーマにした江戸の芸術の世界観の村上風の解釈の仕方という展覧会です。

 

国宝の岩佐又兵衛の「洛中洛外図」を村上風にアレンジした13Mにも及ぶ大作やら、俵屋宗達の「風神」「雷神」を村上隆がどう描いたか、そして京都の東西南北を守る四神たちの巨大絵画など見どころ満載です。

 

また、村上氏が師と仰ぐ辻惟雄氏から、「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いた「雲竜赤変図」にいたっては18Mの大作です。

 

それでは、絵を見てみましょう

 

下の絵は村上版の「洛中洛外図」の一部です。全景は13Mもあります。

 

 

 

そして、その原本となった岩佐又兵衛の「洛中洛外図」の同じ部分の絵です。

 

国立文化財機構HPより

 

オリジナルの絵が忠実に再現されていて、さらに村上隆のキャラクターが所々に顔を出しています。

 

実物を見ると、圧倒される密度で仕上がっています。

 

次に京都の東西南北を守る神たちです。

 

まずは西の「白虎」

 

 

 

 

トラの表情に迫力があります。

 

 

次は南の「朱雀」

 

 

 

 

展示は暗闇のなかで、絵だけが浮かび上がっています。

 

これもその大きさと、密度、美しさに驚いてしまいます。

 

さて、「風神」「雷神」はどんな感じでしょうか。

 

最初は「風神」から

 

 

 

なんか力の抜けた、ゆるーいキャラクターな感じです。

 

「雷神」はというと

 

 

 

 

こちらもなんかとぼけた感じの雷神様ですね。

 

稲妻がてて横に走り、波が渦巻いています。

 

これらは、見る人の視線の誘導を緻密に考えた構成になっているようです。

 

 

では、俵屋宗達の「風神」「雷神」を見てみましょう

 

 

 

註)京都国立博物館HPより

 

 

こちらの絵はなんとも力強いですね。

 

 

作家によってこんなにも表現が変わるんだ。

 

なるほど。

 

辻惟夫先生によると、この「風神」「雷神」は間違いなく村上隆の代表作になるとおっしゃっていました。

 

 

次は村上さんが自分で描いたという「雲竜赤変図」です。

 

 

 

全長18mです。

 

すごい迫力でした。

 

 

 

 

この表情  見ていて飽きないです。

 

村上さん曰く、このような大作を描く画家はいないと。

 

なぜなら大作を構成する設計ができないからだとおっしゃっていました。

 

そういう技術がないからだ。

 

建物に例えると、超高層のビルの設計が誰でもできるものではないのと同じだと。

 

なんるほど、そういうものなんだと思いました。

 

村上さんは、大きな「カイカイキキ」という制作工房をお持ちで、そこに数百人のアシスタントとともに作品の製作をされています。

 

今回面白かったのは、その制作の過程をも見せてくれていました。

 

まずは構造の段階でスタッフに指示するスケッチです。

 

 

 

 

 

 

 

次に、できたきた絵に対して、細かな修正の指示です。

 

 

 

 

 

 

指示は、こうした形状のチェックから、細かな色遣いの指示まで気の遠くなるような膨大な作業の繰り返しです。

 

これらを見ていて、建築の設計と全く同じだと思いました。

 

建築の設計も設計者が最初にスケッチを描き、それをスタッフが図面化して、その図面を設計者がチェックをし、修正をしていく。

 

大きな建物では、それこそ膨大な図面が出来上がり、設計図となっていくわけです。

 

今回の展覧会ではこうした舞台裏まで、展示され、さらに作品も製作途中のものまで展示され、でき次第更新していくといったことで、とてもユニークな展覧会です。

 

そして、そのできなかった言い訳を村上さんが、メッセージで語っています。

 

そんなことも含めて、見どころ満載な展覧会でした。

 

9月1日までやっています。

 

まだ見ておられない方は是非、是非。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Categorised in: