床下エアコンの基礎工事の実際

床下エアコンとは、床下にエアコンを設置して暖気が上昇するという特性を活かして家全体を暖房するという方式です。
全館空調の1種とも言えます。
この床下エアコンを設置するには、いろいろな注意事項があります。
エアコンを床下に設置するわけですから、基礎部分の特に「立ち上がり」が暖気の流れを妨げないように注意する必要があるのです。
今回は、実際の工事写真を見ながら基礎の注意事項についてご説明します。
床下エアコン全般について詳しくはコラム52の「床下エアコン:その利点と注意点」を参照してみて下さい。
🔳床下エアコンの基礎工事
一般的な基礎工事
一般的な住宅の基礎は下の写真のようにまず底盤(土間床スラブ)といわれるフラットなコンクリート面をつくり、その後、立ち上がりをつくります。
基礎を2回に分けて打設するため、下図の点線示したように、底盤(土間床スラブ)と立上がりの間に打ち継ぎというジョイントができてしまいます。
註)国交省 住宅の省エネルギー基準と評価方法より
このジョイントがあることで、雨水の侵入であったり、場合によってはシロアリの侵入のリスクが考えられますが、一般的な住宅では、下図のように床下の基礎は外気が通り抜けて、外部と同じ環境になっていることもあり、多くのがこの工法で施工されています。
註)国交省 住宅の省エネルギー基準と評価方法より
また、下の写真のように内部においても、間仕切り壁の下に多くの立ち上がりがあります。
床下エアコンの基礎工事
一方、床下エアコンを設置する場合の基礎工事は、次の点に注意します。
- 床下に満遍なく暖気が行き渡るよに、極力立ち上がりを少なくします。
- 床下は一般的な基礎のように「通気」を取らず、密閉します。
- 床下空間は部屋と同じ空間と考えるため、打ち継ぎによるリスクを避け、「立ち上がり」は「底盤」と一体的につくります。
- 床下の暖気の熱が地盤に奪われないように、「底盤」の下に断熱材を敷き込みます。
順番に写真で見ていきます。
まず、根切りと言いますが、所定の深さまで基礎形状にあわせて、土を掘っていきます。
その上で、基礎下一面に防湿シートを張り巡らせます。
これによって地盤からの湿気の侵入を防ぎます。
次に、断熱材を敷き込み、基礎の「底盤」からの熱の放熱を防ぎます。
次は配筋です。
構造計算によって配筋の仕様が決められています。
一般的な基礎工事では、この段階で一度、「底盤」のコンクリートを打ちます。
しかし今回は、基礎の立ち上がりも一体で打ちたいので、立ち上がりの型枠を組みます。
これは型枠を浮かす必要があるため、施工に手間がかかり、施工会社によってはできないというところもあります。
ここまでできたら、最後にコンクリート打設です。
立ち上がりの型枠が浮いているのがわかると思います。
そして、打設完了後、ビニールシートでしっかり養生をします。
6日ほど養生し、いよいよ型枠をバラすと、基礎の完成です。
基礎の立ち上がりが少ないことがわかるかと思います。
床下エアコンを採用する場合は、設計段階から、基礎の設計にも注意をはらう必要があるわけです。