「国立代々木競技場」が重要文化財に指定され、さらに「世界遺産」への夢、と題して新聞に記事が掲載されていました。
設計者は超有名な丹下健三さんです。
先回のブログでご紹介した車のショールームの設計者の丹下さんのお父様になります。
2016年に国立西洋美術館が世界遺産になりましたが、それに引き続いて認定されるといいですね。
現在は重要文化財に指定されて、「第一ステップを超えた」段階だそうです。
この代々木競技場は、僕も中学校の修学旅行で見学したことがあります。
当時、建築のことは何も知りませんでしたが、中に入って、その大胆な空間に、「すごい!」 と感動したことを覚えています。
大学に入って、それが丹下さの代表作で、有名な建築だったんだと初めて知りました。
丹下都市建築設計HPより
現在多忙を極める建築家の、隈研吾さんもこの建築を見て建築家をこころざしたそうですから、きっとさまざまな人に影響を与えた建築なんだと思います。
この代々木競技場は、1964年の東京オリンピックのために建てられました。
当時、丹下さんは全身全霊で設計に当たっておられましたが、予算がオーバーしてしまい、確か建設省からだったと思いますが、予算を削るように迫られたそうです。
困った丹下さんは、当時の大蔵大臣であった、田中角栄さんに建築費の増額の直談判をしたそうです。
田中角栄さんもすごい方で、「よし、わかった。予算はなんとかするから、恥ずかしいものは造ってくださるな」と言われ、後押ししてくれたそうです。
たらればの話になりますが、もし田中角栄さんが大蔵大臣でなかったら、この20世紀の名建築は生まれていなかったかもしれませんね。
さて、この代々木競技場ですが、形を見るとわかりますが、直線がほとんどありません。
3次元的な曲線で構成されています。
1964年というと、今のようにコンピューターがあるわけでもなく、さらに電卓もありません。
当時は、設計はT定規と計算尺で設計していたそうですから驚きです。
そんな環境の中で、この建築を設計されたとは、すごいとしかいいようがありません。
「情熱」と「執念」ですね。
世界に誇れる名建築ですから、いつまでもいつまでも残っていたほしいものです。
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